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2023/11/25(土)06:00

EVによる日本の未来は始まるか…中国製EV、ASFのEV

EV  電気自動車(370)

 中国のEV大手の比亜迪(BYD)は2022年4月3日、3月をもってエンジン車の生産を終了し、今後はEVとプラグインハイブリッド車(PHV)に経営資源を集中すると発表した。 BYDは日本に進出し、2025年までに日本国内に100店舗の展開を目指すとしたが、日本でのEVの普及状況は中国、EU、米国に比べて非常に鈍い。  BEVがいまだ発展途上の道具だからだと思われる。  現行のBEVは、航続距離が少なく、バッテリーの耐用年数が短く、車体関係の品質は不明(日産以外)で、価格は補助金を差し引いてもガソリン車より高い。取柄が新奇さと環境貢献姿勢ということでは、購入動機が大いに不足している。     ​​BYDだけじゃない!​ "中国EV"は日本で売れるか ​「予約時の頭金がたった1万円」の商用車も東洋経済オンライン 2023年11月15日  「EVによる日本の新たな未来をここから始める」 10月25日、BYDジャパンの劉学亮社長はジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー)の場で、記者たちを前に胸を張って宣言した。  EV販売台数で米テスラと世界トップを争うBYDはこの日、来春に日本で発売予定である航続距離555キロメートル(自社調べ)のセダン「SEAL(シール)」に加え、SUVやコンパクトカー、ミニバンといった日本市場でも人気の車種の新モデルを一挙に出展。同社のブースには、日本の自動車メーカー幹部も多く足を運んでいた。     ​​普及ペースが鈍い日本市場 ただ、日本市場はEVの普及ペースが鈍い。 EVの世界販売台数は2022年に700万台を突破し、乗用車市場全体の1割を占める中、日本は5万8813台で、割合は1.7%にとどまる。トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の大手3社を中心にHV(ハイブリッド車)が環境にやさしい車として市民権を得ており、「世界的に見ても特殊な市場となっている」(ホンダ幹部)。 中国勢はそこをチャンスと見ている。日本車各社のEVが浸透していないうちに、先んじて市場を開拓しようとの思惑が透ける。 BYDは今年2月に日本初出店を果たしたばかりだが、25年までに100店舗に増やす計画だ。乗用車の販売台数は今年1〜9月の累計で886台だという。  「台数もそこまで多くないし、脅威とは思っていない」(トヨタ系販売会社幹部)との声があるように、中国製EVが日本で普及するかは未知数だが、トラックなど商用車の分野では状況が異なる。     ​​大手企業の採用が相次ぐ モビリティショーでは、物流機器を手がける日本のヤマト・インダストリーと中国で自動車の開発支援を行うIATが、中国のEVベンチャー「金琥汽車」が量産する商用バンをベースにした「JEMY EV48」を合同で展示した。  来秋に税込み400万円以下で発売する計画。貨物配送業者が荷室内をかがまずに移動できるよう車高を高くするなど、現場のニーズに合わせた設計が特徴だ。 「予約時の頭金は1万円で十分だ。来年10月からの納期を守れない場合、1カ月遅れるごとに10万円値引きする。BtoBがメインだが、個人向けのカスタマイズも受け付ける。5000台売れたらさらに輸入を拡大したい」とヤマト・インダストリーの池添洋一取締役は意気込む。  さらに小型商用車の領域では、日本の大手企業が低価格の中国製EVを次々と採用している。 日本のEVベンチャーであるASFは、「ASF2.0」を中国の広西汽車系に生産委託。佐川急便、コスモ石油マーケティングなどに納車した。 同じくEVベンチャーのフォロフライは東風汽車系の車体を活用。物流大手SBSグループに1万台の納入が決定し、大手のコンビニやガス会社への納入実績も積み上がっている。  ー  引用終わり  ー     ​​ 一般に商用車はコスト(ライフサイクルコスト)要件は厳しいが、ブランド・ロイヤリティは薄い。 導入時の価格が安いだけでは決定打にならない。使い勝手やメンテナンス性が悪ければ使いやすい方に切り替わる。低速トルクが大きく発進性は良いが、充電時間が長く、重く嵩張るバッテリーを積んだ現行のBEVを、宅配会社が大量に採用することは想像しにくい。   ASFは2020年6月に設立された、EVの企画・開発・製造・販売やバッテリーリース事業を展開するファブレスメーカー(生産工場を持たないメーカー)。 双日株式会社、コスモ石油マーケティング株式会社、JA三井リース株式会社、株式会社オリエントコーポレーションなどが出資している。  2023年6月5日、コスモ石油マーケティング株式会社が、ASFが企画し中国で製造された軽商用EV『ASF2.0』を「コスモMyカーリース」で取扱を開始したことを発表した。 車両価格は非公表。オプションやメンテナンス無し、月間走行距離1000km以下など基本的なプランで、頭金やボーナス払いなし、契約期間72カ月のホワイトパックという条件の月額リース料は4万4660円(税込)。6年間(72カ月)のリース料金は単純計算で46,660円×72回=321万5520円。  2021年4月時点のASFと佐川急便が共同開発中の軽商用EVの諸元、導入スケジュールは下記の通り。●航続距離は200km以上(バッテリー容量は未定)。●車両価格は200万円以下(佐川急便が現在使用している軽商用車のコストを下回る価格)が目標。●7200台の軽自動車を2030年までに順次入れ替え。●2021年9月に量産開始、納車開始は2022年9月頃の予定。 ​     ​​​​​ 現時点で佐川急便が軽EVを導入したというニュースは見当たらなかった。  2023年11月15日、佐川急便が燃料電池(FCEV)小型トラックと電気(BEV)小型トラックの導入を発表した。EVトラックはいすゞ自動車の新型「エルフEV」の2トン車、FCトラックはいすゞとトヨタが共同開発した3トン車で、いずれもボディには冷凍冷蔵庫が付く。 ●小型BEVトラック諸元車種 ::いすゞエルフEV(冷凍冷蔵庫付き2tトラック)エネルギー : 電気航続距離 : 180km(国土交通省審査値の一充電での走行距離)電池容量 : 60kWh     ​​●小型FCEVトラック諸元車種 :トヨタ自動車・いすゞ自動車共同開発車両(冷凍冷蔵庫付き3tトラック)エネルギー : 水素航続距離 : 260km(参考値)タンク容量 : 10.5kg  

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