JR赤字路線の赤字額は本物か?
読売新聞から地方鉄道の存続議論が始まって、出てきたのが、JRの地方路線の赤字。「営業係数」(100円の運賃収入を得るための費用)と「赤字額」が公表された。それによると、JR東日本で最も営業係数が大きいのは、千葉県を走る久留里線の久留里・上総亀山間で15,546円だという。100円を得るのに、15,546円が掛かっているということで、信じられないほどの数字だ。この営業係数はどのように計算されるのか、新聞記事に詳細は載っていない。久留里から上総亀山は3駅。JR東日本という鉄道路線の中の、久留里線という一つの路線、その中の3駅間の営業係数を、どう計算したのだろう?例えば、ホームドアの設置費用。久留里線のこの間にホームドアは無い(だろう)が、首都圏のホームドア設置費用が含まれているかも知れない。若い頃、企業の原価計算をしたことがあるが、経費を区分しようとすればするほど難しくなる。ホームドアの費用は簡単に区分できるだろうが、共通経費を線路の距離で割り振るのか、車両数で割り振るのか、従業員数で割り振るのか、駅の数か・・・で、答が違ってくる。何が固定費で、何が変動費なのか、でも答が違ってくる。いわゆる損益分岐のことだが、100円の10倍、1,000円を得るのに、係数の10倍、15,5460円が掛かるのか?この点がはなはだ疑問だ。どんな企業でも、売上が100円だけなら、大赤字になる。また、地方路線の車両は、首都圏で使用したお下がりが多いが、古い車両の整備費用をそこに割り振ってはいないだろうか?意識的に、地方路線に経費を割り振ってはいないだろうか?JRは赤字路線を切り捨てたいが為に、作為的にこのような数字を出したかも知れない。第三者の精査が必要と思う。名乗りを上げたいくらいだ。