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大鵬という、それはそれは強い横綱がいました。
彼の得意技は掬い投げでした。 【すくいなげ】と読みます。 相手力士の脇に下からスッと腕(かいな)を差し入れて 一瞬にして相手の左右のバランスを崩して 投げてしまう技でした。 まわしは、つかみません。 だから、相手の脇に差し入れた大鵬の指先は、 きれいにそろっていました。すっと流れるような技。 白系ロシアが混ざる美貌とあいまって、 よく伸びた四肢も、その軽やかな動作も、 何もかもが美しい大鵬でした。 強いだけではなかったのです。 掬水という言葉があります。 【きくすい】と読みます。 水を掬う。 そのときの指先の美しさを想像してください。 大鵬は、そんな華麗さで勝ち続けていったのです。 人名漢字から一度は除外されることになった「掬」。 でも、多くの人々の声によって 復権を果たしそうな趨勢です。 そんな新聞記事を読みました。 実際、お嬢さんのお名前に その字を使って届け出をしたご両親もいらっしゃるとか。 掬水ちゃん。「きくみ」ちゃんと読むのでしょうか。 一度は落とされてしまった、素敵な漢字を 心ある人々の声が、見事に掬い上げたわけです。 素晴らしい決まり手! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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