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カテゴリ:想像の小箱(「十二」?)
『楽俊&陽子の新春対談』
…新年明けましておめでとうございます。蓬莱では平成二十年、西暦2008年になりましたが、『常世』とは時間のずれがありまして、巧は眞緯五十八年、慶は赤楽二百七年になります。このようなことはご法度ですが、本日は元旦で『番外』なので、舞台裏も含めてイロイロお話をしていただこうと景王君・中嶋陽子さんと高王君・楽俊さんに傲霜の来楽飯店にお越しいただきました。今日はよろしくお願いします。 「よろしくお願いします」 「よろしくお願いします」 …では陽子さんから皆さんに。 「あけましておめでとうございます。原作では赤楽初年ですが、ここでは二百年余りになりました。どうも『千歳』まで行くようですが… 私がそこまで行くのかどうかわかりませんが、できるだけのことはするつもりです」 …では、楽俊さん。 「あけましておめでとうございます。故国に戻ることさえ難しいと思っていましたが、なぜか高王になってしまいました。半獣に対する反感を逸らし、隣国奏の動向に気をつけているうちに五十年余りも経ちました。最初の一山もどうにか乗り越えられた気がします。が、今後も見守っていてください」 …殆んど去年と同じようなお言葉ですが? 「ここまでは去年と「ほとんど」ではなく「まったく」同じですね。去年の新年から全く時が動いていませんから」 「そうだな。ここでお前が逃げるのも同じなのか?」 …あ、では、あとはお二人でお願いします。 「今年は逃げたふりか?まぁいい、マル一年も出番なしではな」 「この後もいつ出番があることやら… とりあえず次の出番は来年の今日かも」 「来年の今日があるとは限らないぞ」 「それもそうですね。今年だって危なかったみたいですし」 「ほぉ?」 「いえね、小耳にはさんだところでは今年がネズミ年だからネズミの半獣である私を出さないと拙いかもってつい二日ほど前に気がついたらしいですよ。それもおよそでの企画を見てですね」 「ああ、あれは私もみた。あのような関係だとどうなったのかな?」 「さぁ?冗談を本気に捉える必要はないかと」 「そういえばどこも休みに入っているようだな?」 「そうですね。大本がかなり長い休みに入っていますからね。蓬莱の暦に合わせるとこちらは赤楽十七年ですけど、大本はまだ赤楽四年くらいでは?その先がどうなるかだれも知らない状況ではね」 「何もないからこそ自由にできるのではないか?正規の歴史は紡がれるとここは全て異世界ということになるのだろう?」 「もともとの常世も異世界ですよ?蓬莱から見れば常世は何から何まで異なった世界ですからね。そのあたりはあなたの方がご存じでは?」 「私もこちらの方が長くなってしまったからな。遠い遠い記憶の底にはあるようだが… それも古臭くなった記憶だがな。私がいたころと比べても蓬莱は様変わりしているらしいぞ」 「延台輔からの情報ですか?」 「ああ、六太君はしばしば蓬莱に遊びに行くようだが、最近はかなり世知辛いらしい。技術の差が開きすぎて何も買えないとこぼしていたな。蓬莱からの荒民が流入したら技術をもらいたいとか考えているようだが…」 「そもそも内燃機関すらないのに蓬莱の技術は活かせませんよね?」 「そうなんだ。最近の技術者はこちらのためになるようなものは持っていない。こちらとの差にやる気をなくすものばかりらしい。六太君も最近それに気づいたらしく、技術よりも文化に興味を持っているみたいだ。まぁ、老人ならまだこちらでも使えそうな技術を持っていることもあるらしいが」 「若いほど使い物にならないということですかね?こちらにも海客が来ますが…って赤楽十七年当時の話ですよね?」 「話がややこしいが、こちらの時間と蓬莱の時間とでねじれ状態にあるからな。一炊の夢ではないが、時の流れが違いすぎるのも考え物だな」 「こちらの時の流れも雲海の上と下で異なりますからね。仙になることで何もかもが変わってしまいます。民人は蓬莱とさして変わりはないと思いますが…」 「いや、そうでもない。蓬莱の今の民はこちらの民人と仙の中間のようなものだ。寿命だってそうだな。百を超えるなどこちらの民人では考えられない。仙だと終わりが見えないだけに辛くなるかもしれないが」 「仙になると時が止まってしまいますからね。子や孫よりも若いものなど珍しくありません。が、仙の数も…」 「入れ替わりがあまりないから官職に空きが出ない。いくら優秀なものでも登用の機会がない、などというようなことが雁や奏ではあるようだ。慶ではまだそのような贅沢な悩みはないがな」 「その方が健全でしょう?宮仕えが百年を超えるのは辛いものがあるのでは?官職が上がり、役職が変わるうちはいいのですが、同じところで百年のというのは耐えきれるものではないでしょう」 「私はもう二百年を超えるが?」 「それはあなたの天性と努力の賜物でしょう」 「千歳まで行くというのは?」 「あり得るんじゃないですか?けど、千歳というのは崩御という意味ですが」 「新年早々めでたくない話題だな」 「おそらくは千年とその区切りによる崩御を掛けたつもりだったのでしょう。いつの間にか自分でも忘れていた、というわけでもないでしょうが」 「あれならありうるな。が、今後の予定というと?」 「今年は無理でしょうね。去年や一昨年のを見て驚いていたくらいですから」 「驚く?」 「前の方がよく考え抜いて書いていたんだなってことでしょう。こういう番外でも質が低くはないですから」 「そうか?私にはそうは思えないが?」 「あれとしては、ですよ。それにあれこれ辻褄合わせもありますし」 「…勝手に作った決まりとかか?」 「できるだけ大本に合わせようとしたようですが、大本を読み込まないで書き始めたせいでおかしなこともありましたし。とはいえ、巽海門についてはこちらの方があっているような気がしますが」 「乾海門は船で半日かかるのだろう?青海を渡るのに三四日かかるのと比べると地峡というには広いな。が、乾と巽では違うという…」 「言い訳ですよね。地続きになっている巽と海に隔てられた乾。年に一度しか開かない四門の内と外を守る州師の兵糧はどうするかとか、玉座が空位の時の海門がどうなるかなど、考えれば不思議なことばかりだけど、これは大本に忠実だったりするからややこしい」 「これは大本批判か?」 「さぁ?あれがキチンと確認しないからいけないんですよ。もう少し勉強してからでないとおかしなことになりますからね」 「その確認に時間がかかると?」 「こちらだけでなく、もう一つの世界もありますでしょ?」 「あちらも大変だな。一応はひと段落したところで止まっているらしいが」 「あちらも最後まで行かないとすっきりしないじゃないですか?とはいえ、最後がまだ見えていないらしいですね」 「もう十月も休んでいるのだろう、あちらも?」 「あれが壊れていましたからね。仕方ありませんよ。今日だってかなり無理しているような」 「そうなのか?」 「小耳にはさんだところではそうみたいですね。けど、単なる愚痴ってことかもしれませんね。信用できませんから」 「だろう?でもまたこれでしばらくお休みか」 「そうですね」 …えっと、今日はありがとうございました。お食事を用意させていただきましたので… 「だそうだ。楽俊、楽にしたらどうだ?」 「それはどういう意味で?」 「そういう肩の張るようなものは脱いでだな…」 「お、おい、もう酔っ払ったのか?」 「干支の姿を見せるというのもだな…」 「私はこれにて失礼を」 「あ、逃げるな!」 …お二人が席を立たれましたのでこれにてお開きにさせていただきます。では、今年が皆様方にとって素敵な年であることを祈りつつ、傲霜の来楽飯店からの中継を終わります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年01月01日 14時07分28秒
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