文化がダメになる
子供の頃にテレビを観ると言えば、プロ野球中継かアニメだったと思います。親はそれらに興味がなく、テレビは1台しかないので、チャンネルは奪い合いになりました笑。今、それらが日本の経済効果を上げる、一大産業になっています。スポーツやエンタテーメントは、永遠に衰退することのない分野ですから、皆がそこに憧れを持っても仕方ないです。ただあくまで観る側としての良さであって、やる側は厳しさやタフさが必要です。音楽もそうですが聴く側ではなく、皆にやらせて営利を産もうとします。しかしそこそこのところまでは上達しても、プロとして生きていくのは至難の技です。皆が同じようなことを競って、自分に適した夢を持つことよりも、仲間との共感を得るための夢となり、本業や家族では満たされぬ虚無感が、社会全般を占めているのだと思います。昭和の時代は家庭を持って、夫は働き、妻は家を支え子育てし、休みには家族でレジャーに勤しむ、それでも幸せを感じられたのです。以後、雇用機会や労働人口は増えた筈。なのに人手不足やGDPが成長しないことを、少子化や高齢化のせいにするのは、どうも納得できないでいます。MLBの放映権料は電通が窓口で、少なくとも年間126億円のようです。大谷選手の年俸は、2033年までは2億9000万円、残り986億円は2034-43年に支払われ、MLBのニュースは半永久的に扱われます。サッカーのプレミアリーグや、バレーボールのネイションズリーグなども、同様に放映権料を支払うわけですから、スポーツ中心のニュースが多くなります。これらがエンターテイメントとして、皆が本業の傍らに観る分にはいいのですが、皆がスポーツや音楽系ばかりに力を入れても、今直面している問題の解決にはなりません。サイゼリヤをブログで取り上げるのは、外食産業として実力だけで成功している点で、質を下げることなく奇跡的なコスパを維持し、オーストラリアやアジアで認められています。今のコスパで持ち堪えているのは、自社で農場を持っていることや、オーストラリアやアジア店舗の黒字要因で、決して偶然の奇跡ではありません。サイゼリヤは石橋を叩いて渡るタイプで、世の中に遅れてDXに着手しています。社会に迎合するわけではなく、独自のシステムを構築していると思います。今のワインは1,000円以上出さなければ、美味しいと思えるものは殆どありません。ナチュラルチーズは驚くほど値上げされ、日常的なレヴェルではなくなりました。オリーヴオイルはヨーロッパの必需品ですが、大幅値上げが発表されました。既に純正ではない代替品が普及しています。これはこれでも良いと推奨されるのが、これまでよくある流れです。本物に優るのもはない筈なのですが。物価高、円安、人手不足、温暖化など、今の問題が文化の質を押し下げています。高所得者のみが生活水準を維持できるのです。日銀の大規模為替介入が160円で入り、翌日には156円で落ち着きましたが、158円に差し掛かった未明に再び大規模介入、155円に戻しています。かなり大規模で介入を続けているので、明確な金額公開は避けたいのだと思います。必死の感じも伝わってきますが、それでも円安が進んだ時はとても深刻です。