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カテゴリ:楽天イーグルス
試合回顧 第2ステージ初勝利を挙げ、何とか土俵際で踏みとどまることが出来た。今日の勝因は田中の好投に尽きる。 今日は立ち上がりから最大の武器であるスライダーが普段以上に冴え、抜群のキレを見せていた。そんな中、2回先頭の高橋に初球の不用意な真っ直ぐをライトスタンドへ運ばれてしまったが、結果的にこれがより田中の投球に緊張感と安定感をもたらしたような気がしている。 本題から話はズレるが、今日の試合を観て初めて田中将大が多くの人から愛される理由が解った。何を今更? とファンの方には笑われるかもしれない。闘志むき出しの投球など今日に始まったことではないのだから。 それでも今日の彼からは特別なオーラを感じた。8回のピンチを脱出し、彼の雄叫びを見た後、全身に鳥肌が立っていることに気が付いた。弱冠二十歳の若武者はあまりにも格好良く、あまりにも眩しかった。 本題を本来の配球に戻そう。序盤戦を見て、ファイターズ打線は森本、稲葉、小谷野を除けば全体的に真っ直ぐを狙ってきているような印象を受けた。よってしばらくは変化球を中心にした組み立てをした方が安全だと考えていたが、中谷は田中の真っ直ぐを信頼しているようだった。 今日は第1戦とは異なり、森本に対する攻め方もしっかりとしていたし、第2戦までと違い、スライダーを狙ってきていた感がある小谷野に対して真っ直ぐも有効に使えていたと思う。今日は全体的に良いリードだったと感じた。 そんな中、1球だけ、決して間違いだとは言わないが、考えさせられた配球があった。それは8回、この試合最大のピンチを迎えた1死2,3塁での森本に対する配球だ。 点差は2点。理想は三振か内野ゴロだが、犠牲フライならOKという場面だ。まず、2,3塁なのだから外角の真っ直ぐに軽く合わせられてのヒットは避けなければならない為、この選択肢が消える。続いて外のスライダーとカーブ。これも第2ステージを通じて変化球にタイミングが合っている為投げられない。もう1つ森本の積極性を利用したボールになるフォークがあるが、森本を歩かせれば勝ち越しのランナーが出て満塁となる上に次は稲葉。ストライク先行の投球をしたいのでこれも消える。そうなると初球の入り方として残った選択肢は内角高めの真っ直ぐ或いはシュートで詰まらせるかファールを打たせるということになる。 実際中谷はその通りの選択をし、内角高めでバックネットへのファールを打たせる。考えさせられたのはその次だ。本来森本は内角を苦手としており、初球から内角高めの厳しいボールに手を出してはこない。が、この場面では思い切り振ってきた。ということは森本がバッテリーの狙いを読み、内角の速いボールに狙いを定めてきている可能性が高くなる。 一方中谷からすれば、犠牲フライ(1点)ならOKであるし、例え狙ってこようとも苦手の内角を田中の球威で突けばまず打てないと判断出来る。だから、間違いではない。 ただ、森本が普段とは違う反応を見せたことによって、狙いが内の速いボールであると感じられたのならば、外のカーブで見逃しストライクを奪うという選択肢もあったのではないか、ということ。勿論これが正解だというわけではない。あくまでも可能性の話だ。例え速球を待っていようとも、ずっと変化球に合っている打者なのだから、巧く合わせてくる可能性もある。 配球は難しい。もしもそこでカーブを投げていたらどうなったかなど、誰にも分からない。ただ、たとえ結果論であろうとも考え、反省しなければ決して配球は上手くならない、と監督は言う。 だからこそこのブログを書いてきた。負けた試合、打たれた場面の配球について考え、意見を述べてきた。誠に残念ではあるが、明日は私用により試合を最初から最後まで観る事は出来ない。もしかしたら、これが最後の試合回顧のエントリーになるかもしれない。 それでも、イーグルスの勝利を願っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[楽天イーグルス] カテゴリの最新記事
ノムさん最後の試合を見届け、初めてコメントします。いつも興味深く見させていただいていました。
ベンチで涙する岩隈にもらい泣きしそうになったが、ノムさんの胴上げの輪の中心に稲葉がいるのが見えて、堰が切れた…。本当に、終わってしまったんだ…。ノムさんが指揮するEの日本シリーズが見たかった。日ハムは強いが、勝機はあったから…。 ポスト広岡の弱い時代からSを応援し、地元にEができたので応援し、ノムさんには2度もいい思いさせてもらいました。Sを見てきたから「常勝の伝統」を作るのは容易ではないことを知っています。Eが心配です。ブラウンは「真の監督人事」のためのワンポイントリリーフということでしょうか(とでも考えないと理解できない)。 また、克ん也さんのブログは、ノムさんの解説の解説になるのかな。その後のEの「変貌ぶり」についてもぜひ解説をしてください。 (2009年10月25日 14時20分24秒)
いつも興味深く拝見しております。
楽天の監督と多くのコーチ陣が解任となり、来期以降の楽天イーグルスはどうなるのかと思い、野村克ん也さんの御意見を聞きたくコメント致しました。 まず野村監督が築き上げた考える野球は崩壊してしまわないでしょうか?。 監督が変われば野球スタイルが変わるのは当然ですが、今年のリーグ2位・クライマックス2ndステージ進出は 、野村監督のデータを元にした緻密な野球があったからこそだと思います。 ブラウン監督の采配は広島でも疑問視する声があった様ですし、捕手の配球には内角禁止や配球のマニュアルがあり、配球のマニュアルを読まれて打たれてても捕手の判断では変える事が出来ず、配球が単調化しているとの記事を以前読みました。 野村監督は捕手の育成に力を入れていたので、せっかく成長してきた中谷捕手や嶋捕手が潰れてしまわないか心配です。 ブラウン監督の人選ポイントって何なのでしょうか? 広島も任期中常にBクラスだった様ですし…。 楽天がまた元の弱い球団に戻ってしまわないかとても心配です。 色々書いてしまいましたが、野村克ん也さんはどう思われますか? (2009年10月26日 22時58分49秒)
あるねこさん
コメントありがとうございます。 >ノムさん最後の試合を見届け、初めてコメントします。いつも興味深く見させていただいていました。 >ベンチで涙する岩隈にもらい泣きしそうになったが、ノムさんの胴上げの輪の中心に稲葉がいるのが見えて、堰が切れた…。本当に、終わってしまったんだ…。ノムさんが指揮するEの日本シリーズが見たかった。日ハムは強いが、勝機はあったから…。 第1戦のサヨナラ負けがすべてだったと思います。 >ポスト広岡の弱い時代からSを応援し、地元にEができたので応援し、ノムさんには2度もいい思いさせてもらいました。Sを見てきたから「常勝の伝統」を作るのは容易ではないことを知っています。Eが心配です。ブラウンは「真の監督人事」のためのワンポイントリリーフということでしょうか(とでも考えないと理解できない)。 ワンポイントなら野村監督を続投させればすむ話なので複数年になるのではないでしょうか。フロントの考えを理解しようとしても無理でしょう。野球の知識も愛情も無い人たちですから。 >また、克ん也さんのブログは、ノムさんの解説の解説になるのかな。その後のEの「変貌ぶり」についてもぜひ解説をしてください。 ブログの今後についてはまだ未定です。このまま続けるかもしれませんし、新たに立ち上げるかもしれませんし、今季限りで終了するかもしれません。 (2009年10月26日 23時22分54秒)
さくらさん
コメントありがとうございます。 。 >楽天の監督と多くのコーチ陣が解任となり、来期以降の楽天イーグルスはどうなるのかと思い、野村克ん也さんの御意見を聞きたくコメント致しました。 >まず野村監督が築き上げた考える野球は崩壊してしまわないでしょうか?。 >監督が変われば野球スタイルが変わるのは当然ですが、今年のリーグ2位・クライマックス2ndステージ進出は 、野村監督のデータを元にした緻密な野球があったからこそだと思います。 考える野球、緻密な野球があってこその躍進だったと私も思います。監督交代後についてですが、基本的に打撃面についてはそれほど大きな影響はないのではないかと考えています。ただ攻撃の作戦面では新監督の個性が出てくるでしょう。 >ブラウン監督の采配は広島でも疑問視する声があった様ですし、捕手の配球には内角禁止や配球のマニュアルがあり、配球のマニュアルを読まれて打たれてても捕手の判断では変える事が出来ず、配球が単調化しているとの記事を以前読みました。 この話は初耳ですが、事実だとすればとんでもない話です。自身が名捕手であり、古田や矢野を育てた野村監督が注入した配球術を根底から覆すような指示が出るとしたらイーグルスは弱体化することでしょう。 今季中盤から中谷が正捕手として起用されましたが、配球についての見識を持たない監督には彼の良さは理解できないでしょう。そうなると、肩が強い(盗塁阻止率が高い)という理由で嶋や藤井が正捕手になるかもしれません。が、若い嶋はまだしも藤井が正捕手になるようでは先行きは暗いと言わざるをえません。もしかしたら打撃面を重視して伊志嶺になるかもしれませんしね。 >ブラウン監督の人選ポイントって何なのでしょう。か? ブラウン監督を選んだ根拠が全く理解出来ないのでこれはお答えしかねます。 (2009年10月26日 23時34分48秒)
克ん也さん、いつも楽しく拝読しております。
野村監督が居なくなると何だか野球を見る気が失せて しまいました。ヤクルト時代からの追っかけである 私は密かに「ベイに行ってくれないかなあ・・・」と 願っていましたが(もちろんEに残ってくれるのが 最上ですが)どうやら尾花氏になりそう、とのこと。 日本S第一戦の解説のノムさんは年齢を感じさせない 語り口でまだまだ行けそうな気がするんですけどね。 (^^; 野村スコープをあまり使わず(使えず?) 「天才揃いのチームだから」 と言っていたのが印象的でした。なんだか大味な 試合で第一戦以外はラジオで聞き流している程度。 来シーズン、楽天を応援するとは思いますが、 ゆる~い応援だと思います。 (2009年11月04日 12時52分09秒)
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http://hotfile.com/dl/117012520/213679d/rakutensoft.zip.html (2011年05月07日 18時20分34秒)
はじめまして、何年もあとにすみません。
こちらのブログ記事は、細かいところまで非常に丁寧に試合を書かれていて、いまだに大好きでよく読ませていただいております。 もう、こういったブログは書いていらっしゃらないのでしょうか。 もし違う場所で書かれているのであれば、ぜひ教えていただきたく思います。 いきなりの不躾な駄文で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。 (2015年11月21日 16時24分03秒) |
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