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カテゴリ:Hawaii
![]() のんびりとした日曜日、 不定期ですが・ときどき紹介してゆこうと思います^^。 第三回目 Jozzezee ~永遠の自由人~ カウアイ島で初めてレンタルカーを体験したのだけれど、いきなり交通違反でおまわりさんに呼び止められるわ 車体をポールにぶつけて壊すわ、、、。 私やっぱり車の運転はまだ早いみたい、、、。 だからマウイ島ではもっぱらバスと歩きで、と決めていた。 「Mauiにバスなんか走ってる?」 ショッピングセンターからショッピングセンターへの運行路線“ロバートバスは”ロコの人も知らないくらい本数も少なく、バスの運ちゃんとは顔なじみ。 車社会のマウイ島ではバス利用者は観光客か、車を持てない”わけ有り”の人か、お年寄りだけと決まっているのだ。 そんなある日、バスの中で見かけない顔の、おしゃれなおじいさんに出会った。 褐色の肌に白いお髭、頭にはターバン、シバ神が転写プリントされたタンクトップにジーンズ、、、雰囲気からしてインドからやってきた精神世界ヒッピーのグルという感じ。 アーユルベーダマッサージをよく知るラマニさんとインドの話で盛り上がっていたこのごろだったので、嬉しくなって気安く声をかけてしまった。 ”You must Indie^^あなたインド人ですよね!” 、、、今から思えば まあ何て失礼な!言い草でしょうね。 突然声をかけられてそのおじいさんは子供から「はい!おにぎりどうぞ」と砂団子をもらったようなとまどった顔を見せた。 「いや、ぼくはインド人じゃないよ、アメリカ人。父はインド系、母はスペイン人のジプシーで僕はアメリカで生まれたんだけど。うん、しかし僕の魂はアメリカ人じゃないね、たしかに、うん。」 私はお気に入りのカマオレナルビーチへ、彼はビーチの向かえにある自然食品店 ”Hawaiian Moon″へと、降りる所は同じだった。 彼は手作りのインセンススティック(お香)を作っていてHawaiian Moonには商品を卸しに行くところだったのだ。 パッケージを見たらハートに羽の生えたそのロゴマークは、わたしも自然食品のお店で見かけてよく知っていた。 じゃあまたね、と別れたが、その後“小さな世界”に住む私たちは再び出会うのだった。 彼はタンクトップの胸にたくさんのお花を挿して現れた。 「また会えると思ってね。」 赤いサンドレスを着ていた私に合わせて、赤いハイビスカスを摘んできたのだという。 公園に腰をおろして世間話をする。 彼の名はジョゼジ―、オーガニックバンブーと世界中で手に入れたポーション(香油)でインセンススティックを一人で作って一人で販売している。 大きなキャンパス地のバックには、その商品のスティックやら何十種類ものポーションやらポプリ、摘み取ったお花やら、etc,,,がめいっぱい詰まっている。彼の商売道具一式というとこか・・・。 「あのバスによく乗るの?マウイに住んでたら車いるでしょ?」 「どこに住んでるの?え?PO box(私書箱)しか持ってないの?」 「いつ来たの?またどこかに行くの?」 好奇心いっぱいの不躾な質問に楽しみながら答えていくジョゼジー(ジョゼ爺?) ・・・彼は車もなければ、家も持たない、奥さんや子供も作らず、旅を続けながらお香を作ってはそれを売って生活していた。 メキシコ、インド、フランス、中国、東南アジア、、、旅はビジネスの為であり、 また彼の楽しみのためでもあった。 彼のお財布はプラスティックバックだった。 彼のサンダルは歩きすぎ、チビけて底に穴があいていた。 彼の寝床は友人の車の中だったし、住所は郵便局にある私書箱だけだという。 ☆しかし、しかし、彼のインセンスビジネスは成功していた。!!! 「お金ができると、人は変わってしまうものさ。 車を手に入れて、次に家を買いもとめ、家族を持つ。 どんな自由な生き方のやつでも変わってしまうのさ。」 ジョゼジーは車を買うことも、家だって、ふかふかのベッドで眠ることもできるのに、 ジョゼジーはそれを好まない。 彼の好むのは完璧に自由でいられること、 何も持たない、とらわれない今のような暮らし。それはいくつになっても続く。彼の道、なのだ。 彼の身なりは金持ちのそれではなかった。最初にも書いたが完璧なヒッピーに思えた。 芝生の上でおしゃべりをしている私たちを見て、幾人もの人たちが眉をひそめて通り過ぎる。足を止めて何か言いたげに心配そうに見守る人もいたくらいなのだ。 彼らはきっと“日本人女性がわけのわからないヒッピージャンキーにドラッグかグラスか何かを勧められている”とでも思っていたんだろう。 ☆しかし、しかし、ジョゼジーは完璧な菜食主義者で、お肉、卵、少量のバターでさえも口にしないし、アルコール、タバコ、草、あらゆるドラッグに無縁で生きてきた人だった。!!! 人はみかけで判断してはいけない。これは本当だ。 人は自分の好きな道を選び歩むことができる。これも本当だ。 ジョゼジーは、おしゃべりしながらいくつものポーションの小瓶を調合して “私たちのすごした時間“という名のオリジナルポーションを作ってしまった。 最後にそのポーションを小さな瓶にふたつに分けて、私にひとつ、彼の詩と一緒にプレゼントしてくれた。 私はお返しに、穴の開いた彼のサンダルにバービー柄のバンドエイドを貼ってあげた。 「マイ ファースト バービーだ。」 ジョゼジーは明らかに笑った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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