2099537 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

のぽねこミステリ館

のぽねこミステリ館

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

のぽねこ

のぽねこ

Calendar

2023.03.18
XML


村山由佳『天使の卵』
~集英社、1994年~


 1993年、第6回小説すばる新人賞受賞作の長編小説です。
 
 物語の主人公は、美大を目指しながら浪人生となった一本槍歩太さん。幼い頃に父親が精神を病み入院し、歩太さんは母の営む小さな飲み屋の手伝いをしながら、勉強を続けていました。
 ある日、予備校に向かうために乗った電車で、彼は気になる女性を見つけます。満員電車に乗るのをためらっている彼女のために場所をあけたり、押し倒れそうになるときに彼女をかばったり…。話もしないままに駅で降りた歩太さんは、そのことを後悔しますが、後日、意外な場面で再会することになり…。

 何年もコミュニケーションがとれない父。母を慕う常連さんと、二人をひやかす歩太さん。また歩太さんは、大学に合格した恋人と少しずつ疎遠になっていき、そんなとき出会った女性…。と、主な登場人物はこうした人々ですが、大きなドラマの連続で、衝撃的な展開でした。
 一方、節ごとは短く、緩急ある構成となっていて、大きな出来事と日常がうまくバランスをとっていて描かれるので、重さにやられてしまうこともありませんでした。好みの構成でした。
 タイトルはアクセサリーの名前とのことですが、主人公が「画家の卵」であることに気付き、タイトルの奥深さをかみしめた読後でした。

 十何年も前に人から「面白いよ」と聞いていた物語で、この度読めて良かったです。
 つらくもありますが、好みの物語でした。

(2022.11.19読了)

・ま行の作家一覧へ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2023.03.18 23:20:59
コメント(0) | コメントを書く
[本の感想(ま行の作家)] カテゴリの最新記事


Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

My favorites♪ torezuさん
姫君~家族 初月1467さん
偏った書評ブログ mnmn131313mnmnさん
海砂のつらつら日記 kaisa21さん

Comments

 のぽねこ@ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
 シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
 のぽねこ@ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

© Rakuten Group, Inc.
X