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のぽねこミステリ館

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記事を読んで、「私はこう思ったよ」とメッセージをくださったり、あるいは読んでみようかという気になったりしていただけると幸いです。
よろしくお願いします。
2025.06.15
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京極夏彦『西巷説百物語』
~角川書店、2010年~


 「巷説百物語」シリーズ第5弾。
 ​『前巷説百物語』​の後、大坂に戻った削掛(あるいは靄舟)の林蔵さんが主人公です。
 献残屋にして、またの二つ名を亡者の柳次さん、どんな女にでも化けるお龍さんたちとともに、一文字屋仁蔵からの仕事を請け負う林蔵さんは、どのような仕掛けをしていくのか。
 それでは、簡単に内容紹介と感想を。

―――
「桂男」娘に縁談をもちかけてきた回船問屋の次男坊には、同様の手口で店をつぶしていくという悪評があった。悪評を聞いてもなお、かたくなに縁談を進めようとする舟問屋の旦那に、大番頭は珍しく意見をするが…。
「遺言幽霊 水乞幽霊」倒れて、三カ月生死の間を彷徨っていたと聞かされた男は、けんかした父親が亡くなったと知らされる。一方、店から三千両が盗まれた事件はいまだ尾を引いていて…。
「鍛冶が嬶」大切にしていた妻がある日から笑わなくなった。名刀を手掛ける鍛冶師は一文字屋に相談を持ち掛ける。自身の鍛冶場に伝わる伝説から、妻が狼にかわってしまったのではないかと男は訴えるが…。
「夜楽屋」自身が演じる人形の首が壊れていた…。荒れた楽屋は、先代が亡くなった事件を彷彿とさせるような状況だった。男は、有名な人形師に人形の修復を依頼することになるが…。
「溝出」10年前。村を襲った疫病で、多くの村人が亡くなり、地獄絵図のような状況の中、村に戻った男は遺体を山へ運び焼き払った。村のために動き、生き残った村人から感謝を受けていた男だったが、幽霊が出るという噂が広まる中、供養をしようという訴えには耳を貸そうとせず…。
「豆貍」おいしい酒で有名な酒屋の主人は、ある事件をきっかけに子供を恐れるようになっていた。その店で、帳簿が合わないことが多発していた。話を聞いた人からは、豆貍―子供のしたことでは、との助言を受けるが…。
「野狐」林蔵と又市が大坂を離れることになったきっかけの事件の真相とは。
―――

 又市さんがほとんど登場しないスピンオフ作品のようなかっこうなので、楽しめるか不安に思っていましたが杞憂に終わりました。こちらも面白かったです。
 林蔵さんが主役で、仕掛けを施していくのですが、(以下文字色反転)その仕掛けの方向が、相手の出方に委ねられる(ここまで)のも興味深いです。又市さんの仕掛けよりも怖く感じました。
 一話、二話で、なんとなく趣向が見えてきたと思えば、第三話でまた思わぬ展開になったりと、展開のバリエーションも豊富です。

(2025.04.13読了)

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Last updated  2025.06.15 09:53:50
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