そして二回目の冬がきた
ヤマトがいなくなって、二回目の冬が来た。
一番寒いこの季節、うちの南向きの部屋はもっとも太陽光がさして暖かくなる。
ヤマトはいつもポカポカと幸せそうに寝ていた。
太陽の動き方で、4月ごろにはあまり光が入らなくなる。
そうすると光が入るギリギリのところへくっついて太陽のほうをじっと見ていた。
去年の冬は悲しみのあまり、その窓はカーテンを閉めたきりだった。
この冬は、そろそろヤマトの不在にも慣れてきて、カーテンを開ける。
そういえばこの部屋は、こんなにも明るいのだった。
犬の遺言ではないが、ヤマトが「誰かにこのぽかぽかサンルームを譲るにゃ」と言っているのか。