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カテゴリ:自作短歌
二週間見ぬ間に白き花々を皆がら落としマロニエは夏
二週間ほど留守にしていたら、白い花がたくさん咲いていたマロニエの枝には、青葉ばかりが揺れている。 うすむらさきの美しい桐の花ももうない。 黄花藤が美しく垣根の外に溢れていた家も、「えーっと、どこのお宅だったかな」と車を運転しながらではわからないうちに通り過ぎてしまうように、目立たなくなった。 石楠花も、しおれかけた花が少し残っているだけである。 植物の世界は、すっかり初夏になったようである。 (私はまだセーターを着ているけれども) ベランダの鉢の芍薬その薄き花びら広げふんわりと咲く 十階のベランダに咲く芍薬を蜂がしきりに訪れてをり ベランダの鉢の芍薬は、いくつかの蕾がやわらかにふくらみ、ふんわりと白い花も大きく開いていた。 透き通りそうにうすくて華奢な花びらが、少しピンクを帯びて優雅だ。 出かける前は、どの蕾もまだ固かったのに・・・。 二週間というのは、こういう時間だったのかと、改めて感心する。 この芍薬、昨年までは庭に植えてあったので、花が咲くといつも蟻がうろうろと花を出たり入ったりしていたのだが、今年は、十階のベランダにおいてしまったので、蟻がこられない。そういうことが、きっとこの花のこれからには影響があるのだろう。かわいそうに。 (ほんとうは11階なのだけれども、韻が悪いので短歌の上では10階に変更。趣旨としては「高いところ」ということなので、ちょっとウソをつきました。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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