カテゴリ:創作
第10回トラバでボケましょう開催!
今回のお題はこちら! 「『脱獄不可能』と呼ばれる警戒厳重な刑務所。 その牢獄に長年繋がれている謎の人物の正体とは!?」 どれだけの間、こうして歩いただろうか。 投獄されてから、随分年も経っただろう。しわが目立ってきた私の体には、昔はなんでもなかったはずの歩くという行為でさえも重労働だ。もっとも、過ぎた年月など分かるはずも無く、年齢など考えたところでむなしさが募るだけなのだが。 円筒形の通路をただひたすらに歩く。壁も天井も曲線を描いている不思議な通路は、重圧感のあるその姿を何年もの間衰えることなく見せ続けている。何年もの間。また言ってしまった。何年経ったかなど、分かるはずもないのだ。私は、気の遠くなるような長い時間、この中に閉じ込められているのだから。 まだしわが目立たず、精神的にも肉体的にも健康そのものだったあの頃、私は金欲しさに一組の老婦人の家に押し入った。しかし、当時まだ16歳で、警察を国家の犬などと下目に見ていた私は、顔を隠す・手袋をはめる等の簡単な作業だけで実行に及んだため、あえなく国家の犬様の御用となった。 我が国の裁判は、悪意というものを重んじる。悪意を持っているかどうかを判断基準に、審判が下されるのだ。今回私は死傷者をまったく出さなかった上に、押し入ったものの金目のものは何一つ無く、何も盗らずに帰っていったのだ。加えて、お金が無くて仕方が無かった。反省しているなどと、模範的な弁明をしていたため、裁判はかなり難航していたようだ。最終的に、裁判官はこのような判決を言い渡した。 「貴方が真をおっしゃるならば、神は罰を与えられないでしょう。しかし、貴方が嘘をおっしゃるならば、神の罰が与えられるでしょう」 そんな意味の分からない判決を聞かされ、すぐに目隠しをされ、車に連行された。揺られてしばらく経った後、私は突然意識を失い、気がつけばこの円筒形の細長い監獄に閉じ込められていたのだ。 それから、出口を探してずっと歩き続けている。最初に向かった方向から、まだ一回も逆に行ってない。もしこちらに出口があるとしたら、と思うと、恐ろしくて戻れるわけが無い。 道があっているのかも分からない。死にたいと思っても、もう少し歩いたらという希望を捨てきることが出来ない。食事は、一定期間歩くとどこかに必ずおいてある。監獄の主は、私に死んで欲しくはないらしい。 噂で聞いたことがある。脱獄不可能と呼ばれる刑務所。神に愛されたものだけが、その牢獄から抜け出すことが出来るという。おそらくは、ここがそうなのだろう。はじめに2択を強いられ、間違えれば出口は無い。合っていたとしても、出口までは長い年月がかかるのだ。 恐ろしくいやらしい運命の女神に愛されたものだけが、抜け出すことが出来る。ここから抜ければ嫌でも神の存在を信じるし、抜け出せなければ死ぬるだけ。ここは、そういう場所なのだ。 そうして、今日も私は歩く。負けてたまるか。姑息なやつらめと思いながら。いつかこの通路の向こう側に、生命の光があると信じて。 謎の人物の正体=バカ。 ■□■□■□■【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■ 【ルール】 お題の記事に対してトラックバックしてボケて下さい。 審査は1つのお題に対し30トラバつく、もしくはお題投稿から48時間後に お題を出した人が独断で判断しチャンピオン(大賞)を決めます。 チャンピオンになった人は発表の記事にトラバして次のお題を投稿します。 1つのお題に対しては1人1トラバ(1ネタ)、 同一人物が複数のブログで1つのお題に同時参加するのは不可とします。 企画終了条件は 全10回終了後、もしくは企画者が終了宣言をした時です。 参加条件は特にないのでじゃんじゃんトラバをしてボケまくって下さい。 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。 企画元 毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[創作] カテゴリの最新記事
|
|