カテゴリ:農苑より
1月29日(木)。
この日はヒロさんが作業を手伝ってくれる最終日。 しかし、まだ木を切るところまでは至っていない。 午前中、順調にユンボは進んでいく。 ついに昼過ぎには切り出し場近くに到着。 しかし、待ち受けていたのは雪の斜面だった。 のぼらないのだ。 やればやるほど埋まっていく感じ。さすがに前回の福井の時みたくごぼって出られなくなることはなかったが、ほとんど進めない状態になった。 と、そこにOさんが登場。 「こんなことじゃ、ユンボ持ってたって仕方ないだろ!」 と言いながら、華麗なユンボさばきであれよあれよという間に雪の斜面を登っていく。 非常に手馴れた動きだ。 たしかにこんなことができないのでは、ログハウスを作ろうにも、もう第一歩目からつまずいてしまう。そう、これはできなくてはならない。 テクニック云々はもちろんそうだろうけど、ユンボとの距離感ももう一つの問題になってくるだろう。 もっとその距離を縮める方法を考えて実践しなくてはならない。 やっとのことで木を切る作業に入れたのはこの日の3時過ぎ。 普通、山の仕事は朝早くから始めて、午後は後片付けに入るとのこと。 あきらかに、そんな山の掟を破る行為なのかもしれないが、ここは山の神にお願いして穏便にすませてもらうことにした。 ヒロさんは山の仕事をされているので、チェーンソーさばきは見事だ。 切る方向を誤ると、他の木に引っかかってしまう。チェーンソーは大振りな仕事をしてくれるかもしれないが、意外と細かなものが必要になってくる。 ただただ切ればいいというものでもない。 木を切り倒したら、その都度ユンボで材木置き場まで運ぶ。 そうでないと、一日あけたら突然の大雪でせっかく倒した木が見えなくなってしまうのだ。 そして、一度に何本も切ると他の木に引っかかりやすい。 ユンボのバケツの先と丸太とをワイヤーでつなぎ、引っ張ってゆく。 これも、林の中での作業なので、一気に引っ張ってゆくわけにもいかず、少しずつ角度を変えたりしながら引っ張り出してゆく。 木を切る前にその木のまわりの雪をかき出さなくてはならない。 1メートルくらいは雪があるので、木の周り・自分の体の入る空間・チェーンソーの入る空間・逃げ道の階段分をかき出す。 なるべく根元から切り出せばその分長くその木を使うことができるのだ。 一口に木を切るといっても木を切るだけならたしかに一瞬だが、その前後に付随する作業があり、一日に何十本とはいかない様だ。この日は大3本、小数本という程度に終わった。 Oさんには何度も注意された。 しかし、この作業は危険も伴うので、それは当然のこと。 「機械と吊り上げる丸太の間に入るな、怪我をするぞ!」 「丸太と丸太の間に入るな!足を折るぞ!」 一言一言が身にしみる。Oさんは実践を通して話すので、非常に説得力がある。 様々な課題を自分で考えて、悟って解決してきたのだろう、だからこそ重みがあるのだ。 これはもう「作業」ではなくて、「授業」だ。 こんな自然の中で、実践を通して受けられる授業は格別だ。 寒さも感じないほどに白熱した授業はまだ何日か続くのだろう。 by Yasu お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.02.01 23:47:19
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