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Nonsense Story

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2006.09.05
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カテゴリ:SSもどき

 自信満々に話す真壁に、抜田は呆れた。
「そんな作戦、どうやって思いつくんだよ」
「昼間のワイドショー」
「講義出ろよ。じゃなきゃバイト行け。電気代を使うな」
「バイト先で見てんだよ」
「どーゆーバイトだよ」
「駅前のパチンコ屋で」
「景品交換か?」
「いや、スロット。パチンコ冬のアナタとか結構いいぞ。吉宗もなかなか」
「っっっ働けーっ!!」
 抜田の罵声が飛んだが、真壁は平気な顔で家素本に向き直った。
「とにかく家素本、お前はこれから矢追のところに行ったら、奴が電話に出ないようにしろ。かかってきても、取らせるんじゃないぞ」
「うん。わかったー」
 どこまで分かっているのか、家素本は元気に言って、学食を出て行った。
「抜田、お前は鉄道警察の役な。矢追の家に電話して、奥さんに奴が痴漢で捕まったって言うんだ。俺が矢追の役をやるから、適当なところで変われ」
 真壁がすでに番号を押した携帯を渡してくる。抜田が受け取ると同時に相手が出た。
「はい。矢追でございます」
 はきはきした女の声だ。矢追教授の奥さんにしては、若い気がする。
「あの、こちら、鉄道警察の者ですが、奥様でいらっしゃいますか?」
「はい、そうですが」
「教授の奥さんにしては若そうですね」
 思わず本音が出た。警察役が教授と呼ぶのはNGだろう。しかし、相手は一向に気にしないばかりか、上機嫌になった。
「あらぁ、お世辞がお上手ねぇ。で、何のご用?」
「えーっと、あれ? 何だっけ?」
「いらんことを言ってるから肝心なことを忘れるんだ! 痴漢だチカン!」
 真壁が横から叱咤する。
「ああ、そうでした。実は私、警察の者なんですが、気を落ち着けて聞いてくださいね」
「気が昂ぶってるのはあなたの方でしょ」
「なかなか鋭い突っ込みですね。でも、この先をお聞きになったら、あなただって平静ではいられませんよ。ふふふ」
 不気味に笑う抜田を、真壁がはたいた。
「何、脅してんだよ!」
 だって、脅すためにかけてるんだろうが。
 抜田は言い返したかったが、電話の相手に聞えるのを怖れて、口に出すのはぐっと堪えた。代わりに就職活動で鍛えた流暢な面接喋りで、相手に嘘の経緯を説明する。
「それでですね、ご主人が、女子高生に痴漢行為をしてしまいまして、こちらに身柄をお預かりしてるんです。このままいくと起訴ということになってしまうんですが、まぁ、相手のお嬢さんも公にはしたくないということで、一千万払っていただけるなら、示談にしてもいいと言ってるんですよ」


つづく






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Last updated  2006.09.06 00:15:30
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ふーたろー@ Re[5]:奇妙な隣人 9.5.猫 3(06/11) あやきちさんへ 返信大変遅くなって申し…
あやきち@ Re:奇妙な隣人 9.5.猫 3(06/11) お久しぶりです、お元気でしょうか? 今…
ふーたろー5932@ ぼっつぇ流星号αさんへ お返事遅くなりまくりですみません! こ…
ぼっつぇ流星号α@ いやー 猫がいっぱいだーうれしいな。ありがとう…
ふーたろー5932@ 喜趣庵さんへ お返事遅くなってすみません! 本当に元…

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