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カテゴリ:ショートショート
「中学生からのメッセージ」という、いわゆる弁論大会の
学年代表に選ばれまして、文化祭で発表しました。 女の子達に「夜露格好良かったよ!」って言われたり、 男子達に「夜露かゆいよ!」「夜露エロいよ!」って言われたりしました。 「どうせイメージは変わらないんだし、あわよくばイメージアップだ。ぐへへへー」 と思ったので、載せることにします。 いつの間にか「ショートショート」カテゴリが、国語の発表の記録になっています。 『Dear.』 僕には、親友の女の子が居ます。ですが、その親友には、12時間しか会ったことがありません。でも、とてもとても大切な親友です。 彼女に初めてあったのは、ちょうど去年の夏休みでした。去年「(ある審議会)」に十勝代表として出席させていただくことになりました。他の各支庁の代表の中学生も集まり、胆振代表として来たのが、その彼女でした。 その審議会は、夏休みと冬休みに6時間ずつありました。夏休みの分が終わった頃にはその彼女をはじめ、他の代表の人たちとももうすっかり仲良くなっていました。ですが、次に会えるのは6ヶ月後の冬休み。ですから、お互い連絡先を交換することにしました。 僕はパソコンがあるのでメールが出来たのですが、彼女はパソコンも携帯も持っていませんでした。そこで、メールではなく、手紙を交換することになりました。 最初は、手紙なんて古臭い、面倒だと思っていました。文字は、書くよりも打つほうが速いですし、書いて送っても、向こうに着くのは2、3日後ですから。 ですが、何回か手紙を交換していくうちに、メールではない、手紙の良さを実感しました。 封を開けると、丸くて均等に並ばない癖字は、決して彼女以外の誰にも書くことのできない文字。浮かんでは消えていく液晶画面の文字とは違い、捨てない限り手元に残る手紙の文字は、差出人の息遣いまで受け取ったようです。この温かいやりとりは、冷たい活字ではとることができません。 時が過ぎ、冬休みの分も終わり、仲良くなった代表の人たちとも別れなくてはなりません。胆振代表の彼女とも、もうお別れです。十勝と胆振では簡単に会いにいくこともできませんから、もう会うことも無いかもしれません。 初めて会ってから、もう一年が経ちました。まだ手紙のやりとりは続いています。ですが、結局彼女には、冬から会っていません。 しかし、手紙を読むたび、書くたび、彼女がすぐそばに居るような気がしてなりません。データではないその人の手書きの文字というものは、強い存在感を持って心に深く刻み込まれます。 何千何万という文字を交わした彼女は、たとえ12時間しか会ったことがなくても、紛れもなく僕の親友です。 僕は辛いこと、悲しいことがあると、彼女に会いたくなります。そんなときは部屋に行き、彼女からの手紙の山を見ます。彼女の存在感はありますが、勿論それは彼女自身ではありませんから、会いたい気持ちは強くなります。しかし、「会いたい人がいる」という事実が、頑張る気力を与えてくれます。 例えば皆さん、こんな経験はありませんか? 部活を辞めてしまいたくなったとき、友達と会える時間が減ってしまうから、まだ続けようと思えた。「友達が居るからとりあえず続けている」というのはなく、「友達が居るから部活を頑張れた」とき。きっとあると思います。 人は一人では生きていけません。 「明日また会いたい人」。その人は、直接的でなくとも、その存在が力を与えてくれます。先輩、後輩、同級生、恋人、家族、少し顔を見ただけの人でも構いません。「明日また会いたい人」をたくさんつくってください。その方が明日がもっと楽しみで、一秒一秒が幸せに感じられるに違いありません。 「明日また会いたい人」に、あなたの気持ちを、あなたの言葉で、あなたの文字で、伝えてみませんか。 Dear.美奈(仮名) この話を書かせてくれてありがとう。美奈にはいつも助けてもらってばかりです。 何年後になるかわからないけど、いつかまた、どこかで会おうね。 日記・ブログ人気急上昇ランキング・・いつもクリックありがとうございます。 別館 『雨にぬれても』へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年10月02日 22時21分13秒
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