てまり - ねこ　の独り言

私が小学６年の６月に母は家を買い、新しい家に引っ越した。
今だから言えるが、いくら教員をしていたとは言え、女一人で家を買うのは大変だったと思う。

でも、私の心と母の思いはこの時からずれていったように感じる。
確かに、小学４年から６年の５月まで借りていた家は、気分良く・・・とはいかなかった。
大家さんが酔った勢いで何かしら難癖つける人だったので
もっとも、それ以前に借りていた所が良すぎたせいもある。

そして、自分の家になるということで私は、私なりの期待をしていた。庭付きの一戸建てと聞いていたので、動物が飼える。花壇が作れるなど私なりの思いもあった。
しかし、両方とも許されなかった。

母は・・・全てが自分の思いどうりにならないと気がすまない人。この事実も、家を買ったことをきっかけに　わかっていく。

そして二言目には「あんたの為に買った」という。
その度に私は心の中で繰り返す。

私は家が欲しいなんて、言った事は無い。
それよりも、友達になれるペットと、普通の家庭、父親が欲しかった。。。


母に言いたくても、絶対に口に出せなかった、言ってはいけない一言だった。



母が癌で他界して、もう６年。
仏教式で言えば７回忌？

１週間ほど前に、文庫本、精霊流し買って来ました。
さだまさしさんが書かれた物で、９月に長崎で映画公開、年末に全国ロードショーになるそうです。
特別ファンではないけれど、どちらかと言えば好きなアーティストかな？
読みながら　何故か私の頭の中には、さださんのコスモスが・・・

母が他界したのは１１月１３日。
あの時も、先生の話では、夏が越せるかその前に逝くかと言うことでした。
夏が過ぎ、あ、まだ時間がある。
と思う反面、いい加減に早く終って欲しいと思う自分も・・・
その中でやはり私の頭の中では　さださんの　コスモス。

もう少しあなたの子供でいさせて下さい。

このフレーズが、初めて聞いた高校生の頃は理解できなかったけど、母が他界する年、改めて聞けば納得。
そして、今回、精霊流しを読みながら、歌詞のいろいろな部分と思いが重なって。

通常、私は文庫は一晩で読むのが普通。
でも、今回は重すぎて読むのに時間がかかりました。
この間、最低限の仕事は片付けていたが、やはり気になり　何も手がつかなかった。
映画館へは行けないと思うけど、DVD発売されたら絶対に欲しい作品です。