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カテゴリ:Taro~タロ~
“I TAROは私の犬です。”
大きくゆっくり、バリアンが頷きました。 そして再び、見えない誰かと会話を始めました。ふん、ふんふんふん・・・ 石のようなものを転がし、拾ってはまた転がし・・・ しばらくして、私の目を見ながら静かに言いました。 “君の犬は盗まれたんだよ。” ・・・ ・・・ 正直なところ、前の段階で“波長が合わない”と感じた私。 それでも少しでもいい、何かしらの手がかりが見つかれば・・・。 盗まれた・・・は意外や意外の第一声でしたが、それでも心の中でほっとする部分がありました。 生きてる、タロは生きてる。 いやしかし、タロを盗む・・・て、いったい何のため?? “どうして盗まれたのですか?” 石のようなものを再度転がし、頷き、また転がし・・・ “うむ、君に嫉妬心を持つ者が、君の大事な犬を盗んだ。もちろん売るためだよ。” 出た!嫉妬心!!(こっちではiri:イリと言います) iriから来る嫌がらせ・・・バリではよく耳にする言葉です。 まぁ、それはいいとして・・・売るため??? タロを??? 売れるんですか・・・??? “それで、タロは売られてしまったんですか?” “ウブン(デンパサールの地名)経由で売られ、今はデンパサールの外国人の家にいる。その外国人が400万ルピアで買ったようだ。” 400万ルピア・・・って。。。 そっかぁ、どうやらバリアン自身の先入観が勝ってしまってるんですね。 こんなに必死になって探してる犬=高級な外来犬と思われているようです。 “いやいや、タロは普通のバリ犬ですよ。毛も短くて、小柄で、いわゆるチチン・カチャン(豆犬)と呼ばれてる犬ですよ。歯もボロボロなんですよ。4歳やけど14歳に間違われる子ですよ。寝ダコも大きいのんあって、涙やけがチャームポイントですよ。” ・・・な~んて、今更言えねぇぇ。 こりゃ、ダメだ・・・ 私のみならず、Oちゃんもクトゥちゃんもオニイもそう思った様子。 Oちゃんが聞きました。 “タロは生きてるんですね?” “KARI HIDUP!!(生きてますよ。)”即答。 これだけで十分や!! “今、タロは自力で帰ってこようとしている。1週間待ってみなさい。” 奥の部屋から出てきたバリアンと、しばしのお喋りの後、私たちは家へと帰りました。 帰り間際に“無事に帰ってくることを願ってますよ。”と、最高の優しい笑顔で見送ってくれました。 合う、合わんでは言い切れないのかもしれない。 バリアンの言った1週間を信じて、“生きてる!”という言葉を信じて待ってみよう! 心底そう思える自分がいました。 ちょうど次の日から1週間、お父さんがバリに来る。これは何かが起きそうな予感!!?? 1月5日、タロ不在のままお父さんを迎える事になりました・・・が!! なんとなんと、お父さんが乗るはずの飛行機がキャンセルに。正確に言うと、出発が遅れたのですが・・・ 19時間ですよ!!結局次の日到着・・・というとんでもない事態に。ええ加減にしいやぁ、ガ○ーダ!! “さぁ、あったかいバリ行くぞーーー!!”と張り切ってた父は、19時間も関空で足止めを喰らってしまいました。 逆に言うと、出発前に厄を全部引き受けてくれたんですね。 バリ到着後は、出かけるときは晴れ!家に帰ると雨・・・と素晴らしいほど天気に恵まれ、今から思うと“奇跡を呼ぶ男”となった父ちゃん自らの早朝のモンキーフォレストへの参拝&皆様の念力のおかげで・・・1月8日朝5時、タロちゃん無事帰宅!!となったのです。ありがとうございましたーーー。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.01.17 18:39:06
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