審判員って儲かるの?
「陸上の審判やってるねん」というと聞かれることがあります。それは、「審判って儲かるの?」と「どうやってなるの?」ということ今日は審判員って儲かるの?についてお答えしたいと思います。多くの審判員は1:小・中・高校の陸上部の顧問の先生2:学連審判員3:社会人(学校の先生ではない大人の)審判員に分類されます。(と勝手に分類)原則として、大学生は関東もしくは関西学生連盟に登記登録されることになっています。この「学連」という組織については登録が限られた期間(大学在学中)のみとなりますし、活動も学連関係の競技会に限られますのでここでは割愛します。さて、学校の先生は通常、副業禁止だと思いますので、プロの審判はあり得ません。また、学校関係の競技会の場合、基本的に入場は無料ですので(競技場その他設備は使用料がかかりますが)プロを呼ぶ余裕もありません。学校関係の競技会においても、社会人審判員は多数混じっていますが大会本部が社会人審判と顧問の審判を分けて対応することはありません。どのような職業であれ、審判員は審判員です。つまり、全ての審判員に渡されるのは交通費(実費もしくは1000円から3000円程度、地区・競技会によって異なります)とお弁当です。これは、社会人の出場する実業団や地区陸協主催の選手権等でも同じです。陸上の公認審判員は、100%ボランティアだと思っていただいてよいと思います。さて私の場合ですが、子供が小さい頃は、よく子供を連れて審判員をしていました。これは、私がアナウンサーという部署だったのでフィールドに子供を連れて入る必要がなかったことと周りの先生方のご配慮をいただけたことが大きかったと思いますが時には、出発係からの合図をもらってスタート通告をしようと息を吸ったその瞬間、「はは、おしっこ」と言われて、あわてて子供をトイレに連れて行きスターターがいつピストルを打っていいかわからず「アナウンサーがいない」と大騒ぎになっていたこともありましたが・・・アカンやろ、それは一人用のテントにレゴブロック、クレヨンやおもちゃ箱を車に詰めて競技場へ行き、アナウンス席のとなりに簡易子供部屋を設置しその中に子供を放り込んでアナウンスをしたものです。(@遠い目先生方に連れられてコンビニに行っておやつを買っていただいたり私がアナウンスをしている間、ずっとマイクから離れて子供と遊戯王カードで遊んでくださったアナウンサーの先生など(そっちの方が通告より楽しそうでしたね、先生)その節は本当にありがとうございました。(注:子連れでの審判には危険が伴いますので、お薦めはいたしません。 本部の他の審判の方が、必ずしも子供の面倒を見てくださるとも限りません。 子連れを希望される場合、予めお近くの競技運営本部にご相談されることを お薦めいたします。)そうやって皆様に育てていただいた息子は将来、審判長席に座ってみてる人になりたいそうです。。。さて、そんなことをしていると、高速代にガソリン代駐車場代で、いただいた交通費ではオーバーします。電車に乗っていっても、1.5倍かかるし。お昼ごはんにおやつに飲み物代も子供の分はいるし全国IHでは、長期間に渡って子供の世話ができないことが予想されたため(朝から晩まで競技場に詰めていたので)九州にある実家に子供を預けに行きました。迎えにも行くので新大阪から博多までの往復の新幹線代×2回×二人分とかはっきり言って大赤字です。では、入場料を取る日本選手権とかではプロのアナウンサーは来ないのか少なくとも大阪での全国インターハイでは、大阪のアナウンサープラス近畿地区のアナウンサー(今回は奈良の審判員のかた一名でした)だけで行いました。グランプリも毎年、大阪のアナウンサーだけでやっています。(ただし、大会運営に関しては全国大会や国際大会の場合、 日本陸連やIAAFなどが主催として運営に関与し、 地域陸協のみで行うものではありません。)グランプリでは、みんな私の声を聞いていると思うので「大阪の、あの女性のアナウンサーが来てくれたら、日本新で走れます」とか「大阪の、あの女性のアナウンサーが来てくれたら、 ハンマーで108m投げます」とか誰かが言ってくれれば、よその地区の試合でも呼ばれるかもしれませんがそんなことはまずありません。じゃあ、カビラさんとかにアナウンスを頼むか陸上競技のアナウンスは基本的に運営に携わるものとしての競技進行上の役割がありますので、陸上を知らない方には難しいかと思います。テレビなどに出てくる、いわゆる「プロのアナウンサー」が公認審判員資格を取って審判員になり、さらに各種競技会を多数経験されれば可能性がないとは言いませんが陸上競技のアナウンスには「台本(原稿)がない」「ディレクターやアシスタントプロデューサーがつかない」「タイムテーブルの調整を自分で行わなければならない (タイムキーパーの役割を兼ねている)」ということも陸上競技以外のイベント系アナウンスとは違うところではないかと思います。基本的に、開催地区の登録審判員が審判を行うということになっており(審判業務は地区陸協に委託されている)、また全ての審判員はボランティアでやっておりよそから呼んで来て行うことがないので審判のプロは存在しない、のではないでしょうか。また、アナウンスも審判業務のひとつであり、記録が公認されるためには審判員は公認審判員でなければならないという規則もあります。カビラさんが審判資格を取って、大阪まで来て大阪陸協に登録してくれるなら私の仕事はなくなるってことも可能性としてはなきにしもあらずですが。。。最後になりましたが、ここでは「プロの審判」という言葉を「競技会でお金を稼ぐ審判」という意味で用いて「プロの審判はいない」と申し上げましたが例えボランティアであろうとも、全ての公認審判員は「陸上競技のプロフェッショナル」です。どうぞ安心して競技会にお越し下さい。