テーマ:小説書きさん!!(623)
カテゴリ:きみに願いを。(詩)
ピアノを習っているなんて知らなかった。
あの子が。 「昨日びっくりしたよ。俺が先生のところでピアノ弾いていたら、 一宮が入ってきたんだ。あいつも先生に習ってたんだ。」 アキが早口でまくしたてた。珍しい、この冷静な男が・・。 一宮がからむと、普通じゃなくなる。 「へえ?一宮が。あいつ上手いの?」 「へたくそなベートーベンだった。面白いの、」 思い出し笑いだ。これも珍しい。 「月光・・だっけ?あの重い曲。一宮、あんなの弾いてるの。 しかも自分のペースで。先生怒っちゃってさ。」 手をぱんぱんたたく。どうしちゃったの? 「面白そうじゃん?」 相槌。これがせいいっぱい。 さえない女の子。 これといって・・特別かわいいわけじゃない。 なのに俺の親友は、この子が気になっているみたい。 隣の席だから? それとも、昔・・・いじめたから? 罪悪感なの? にしては・・・楽しそうで。 俺はすこしさみしいんだけどなあ・・。 「メゾピアノ」のサチのお話です・・。アキもサチも男子です・・。 今日は少し変わったものを続けてUPさせていただきました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/04/15 08:51:46 PM
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