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ヒロガルセカイ。

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柊リンゴ

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2006/04/30
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夏至は値札をつけるラベラーの使い方を教えてくれました。
「ね。簡単でしょ。恭さん、これ全部お願いしますね。」
「わかった。」
特売のシャンプーに値札をつけます。
1箱に24本、それが5箱。
まあ・・すぐに出来そうです。
隣でシャッと音がします。
夏至がカッターで箱を1づつ開けてくれていました。
「えっ。ありがとう。」
「初日ですから。これくらいは。」
にこにこしながら全部開けてくれました。
「マイ・カッターがあると便利ですよ。
 多分事務用の机の中に1つくらいあるでしょうから探しておきますよ。」

夏至が店内に行ったのとすれ違うように店長が来ました。
「おっ。よろしくね、恭くん。」
「よろしくお願いします。」
恭の名札を見て店長が笑いました。
「夏至が書いたの?あいつは・・。」
「なんかおかしいですか?」
「いや。あいつがちゃんと面倒みてるんだなーと思ってさ。」
店長は楽しそうです。
「あいつも恭くんみたいに新人のバイトだった時期があったから。
 あいつが新人を教育するようになるとはね。」
「?だって、頼れって。言ってくれましたよね、店長。」
「まあ。そうだけどさ。言うこと聞くと思わなかった。」
なんでしょう?
「夏至さん。いい人ですよ。」
「あいつが聞いたら喜ぶよ。まあ仲良くね。」
店長が手を振りながら事務所へ入っていきました。

ああ。そういえば。マイ・カッターがあると便利って言ってたな。

恭はバックヤードのロッカーに入ろうとドアノブに手をかけました。
・・・なにか声が聞こえてきます。
息を殺すような・・それでももれるような・・。
激しい息使いも。





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Last updated  2006/04/30 06:59:41 PM



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