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カテゴリ:映画
今日17日から公開の宮崎アニメ「借りぐらしのアリエッティ」を見てきました。
あらすじ: 古い家の台所の下に住み、暮らしに必要なものは すべて床の上の人間から借りてくる借りぐらしの小人たち。 そんな小人一家の14歳、アリエッティは、好奇心と伸びやかな感性を持つ少女。 だが、人間に見られないよう、目立たないよう、つつましさと用心深さを 求められる毎日を送っていた。 公式はこちら♪ ********************************** 良いか、悪いか・・・まだ公開されたばかりなので個人的な・・・といっても 二極化の感想は避けたいとは思うのですが・・・。 とにかく視聴する側がジブリに何を求めるのか、どれくらいのものを与えて くれるのか、その度合いによって評価は分かれるのでは・・・そんな作品でした。 ネタバレがありますのでこれから 視聴なさる方はご注意くださいね♪ ☆これぞジブリ! 自然と子供目線の憧れを大切にする視点は相変わらずです。 前作の「ポニョ」では誰もが憧れる「海で生きる」、そんな夢の世界を 描いてくれました。 今度の「アリエッティ」はミニマムな世界。 もしも、自分が「不思議の国のアリス」や「だれも知らない小さな国」のように 小さくなってしまったら。 人間の世界はこんな風に見えるのだろう・・・そんな憧れをアニメーションで 存分に味わうことが出来る世界観、これは素晴らしいと思いました。 アリエッティは14歳。 厨二病と世間では言われるエヴァのパイロットの世代ですが(笑) そこで冒険心とそれが引き起こす事件が取り返しのつかないことになってしまう 危うさをやはり持っている主人公です。 家庭はお父さんのポッド、お母さんのホミリーと三人暮らし。 生活は人間の物を「借り」て生活をしている。 例えば角砂糖、一個、テイッシュ一枚、といったように。 けれど初めての「借り」をお父さんと出かけたアリエッティは テイッシュを獲りにいったところで、翔という数日前にやってきた この家の男の子に見つかってしまう。 実は翔にはこの家に彼が初めて来た日にも見られてしまっていた。 人間に見られたら引っ越す。 決して相容れない種族であり、家族三人以外には滅多に出会わない自分達は ここで滅ぶわけにはいかない。 引越しを決めるお父さんだけど、アリエッティは優しい気持ちを示してくれた 翔と実は共存できるのではないかと思い始めるのですね。 けれど、人間は誰しも良い人ではない。 家政婦ハル(65歳!笑)は見た!!! ハルも小人を見て、怪しい行動をしている翔を見張っていて 事実を知ってしまう。 で、大人ならこうするだろうなあという行動に出るわけですね。 翔がこの家に来たのは心臓手術を控えた病気療養のため。 ずっと病気がちで厭世的になった自分は勇気や希望というものを失っていた。 それはアリエッティに出会ってからも同じだった。 孤独が彼を苛み、ついアリエッティにも当たってしまう。 けれど、アリエッティは自分達は生き延びなければならない、その ためにも人間とこれ以上関わることは出来ない、とお別れを言いにくるのですね。 けれどもある事件が起こり、自分ひとりではどうすることも出来ない状況に。 助けを求めたのは、絶望を抱えつつ”小人を見たことがある”という夢を 抱えた子供、翔だった。 翔が与えてくれた優しさは本物だったから。 思ったとおり、翔は病気も省みずアリエッティのために一生懸命、 頑張ってくれる。 アリエッティは事件を解決したけれど、やはり人間と共存するのは リスクがあり過ぎる。 引越しの前に翔は自分も病気と諦めないで頑張ることを伝えてくれた。 二人の命の新たな旅立ち。 相容れない種族が世界と環境を分かち合いながら生きていく。 命の輝きをアリエッティの中に見た翔の素敵な物語でした。 ☆等価交換(笑) さて、ここからが辛口評価の部分です。 つまり・・・ 毒にも薬にもならない。 そんな感じでした。 「千と千尋」のようにいくつもメッセージを抱えているわけでもない。 「もののけ姫」の強い自然に対する強い意志や「トトロ」のように 郷愁に浸れるわけでもない。 後で「ポケモン」映画を見に行くことになると思いますが、今の子供達に してみれば「ポニョ」と同じく童話のような映画をどう受け止めるか、 刺激が少ない、心躍るワクワクする部分も少ない。 そんな映画を素直に「面白かった」と言えるのかどうかです。 一緒に見にいった家族は一般人なので(笑)、もう少し!と思うところを 「自分に言われるようじゃね。」と自虐的に言っておりました。 挙げると、絶望に捕らわれている翔の気持ちの変化・・・ 翔が最初に黒台詞を吐くのは唐突なので、その辺りをもっと 態度で示せなかったものか。 ラスト・シーン・・・アリエッティと翔のつながりを同じ小人の スピラーがどう納得させられたか、、と言うところです。 以前の宮崎アニメだったら、その辺りもっと丁寧に描いたと思うのですが、 今回は家政婦ハルさんが目だってしまってもっと主人公二人が悩んだり、 気付いたりする、輝く場面が少なかった。 二人を導く大人があまりいなかったことが物語りの厚みを少なくしてしまったかも。 もちろん、二人で大事なものに気付くことが一番、なのですが アリエッティが輝くために親が何をしてあげたか、その部分が少ないと 感じました。 良い両親ではありましたけどね。 そして、オバちゃんな私が一番、引っかかったのがパンフレットにもあった 「借り=狩り」 であること。 「要らなくなったものをちょっと借りて加工して工夫して自分達の生活に役立てる」 そう言われればエコじゃない!?と思うところですが 「”借り”と言うなら返すべき」 私はずっとその事が引っかかってしまいました。 角砂糖にしてもテイッシュにしても、「要らない」ものでもなく、 勝手に使っていいものではないのです。 ハルさんが「泥棒小人」と言っていたのを家の主人の貞子は 否定していましたが、これはいかにも「お嬢様」の台詞です。 アリエッティたちが「借りた」なら、例えば花壇の草取りやハーブの手入れ、 害虫の駆除、そういう風に人知れずでいいから人の生活に還元していることを 入れて欲しかった。 それでこそ本当の「共生」が成り立つのでは、と思うのです。 一方的に借りておいて、見つかったらさようなら。 これでは小人は勝手と思われても仕方がありません。 結局、別れてしまうことになるのですが、翔がアリエッティに気付かされた もので十分、角砂糖一個、と言うならそれなりの表現をもっとして欲しかったです。 (追記) この部分についてはゲスト様からのありがたいコメで 再考察しています。 辛口ばかりがやはり出てしまいましたが、お約束の王子様キャラ、翔、 お姫様っぽい潔癖なアリエッティは宮崎さん好みの良き男の子、女の子です。 そんな二人の微妙な心のふれあいは楽しめますので、 小さな人の世界観とともに視聴されるのが良いのでは、と思いました。 声優さんについてはもう・・・ですね。 樹木希林さん@ハルについてはアニメのほうを後から作ったのでは、と 思うくらいの動きでした。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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