日本最長の鉄道路線は東北新幹線
かつて東北本線は東京-青森間739.2kmが日本最長の鉄道路線だった。ちょっと経緯を書くと(下記文献から)、東北本線の歴史は1883年(明治16)私鉄の日本鉄道が上野-熊谷間を開通したことに始まる。このとき途中駅は、王子、浦和、上尾、鴻巣のみ。大宮駅が1885年3月に設置され、同年7月に大宮-栗橋間と、中田仮駅(利根川北岸)-宇都宮駅間が開通。翌年12月に黒磯まで全通。その後も小刻みに延伸され、1887年に仙台、1890年に盛岡まで、青森までの全線開通は1891年9月1日だった。1906年に国有化。1909年には国有鉄道路線名称制定により、秋葉原-青森間が東北本線と名付けられた。1914年(大正3)に中央停車場(東京駅)が開業、1925年から東北本線の列車が乗り入れ、起点を東京駅に改められて、東京-青森間739.2kmとなった。東北新幹線が1982年に、大宮-盛岡間で暫定開業。以降、東北本線の優等列車は徐々に廃止され、新幹線の延伸にあわせて、2010年12月までに並行在来線を第三セクター化した。IGRいわて銀河鉄道(盛岡-目時間82.0km)、青い森鉄道(目時-青森間121.9km)である。これにより、東北本線は東京-盛岡間535.3kmに短縮され、在来線で日本最長路線の座を山陰本線(京都-幡生間673.8km)に譲っている。さて、東北新幹線は1982年6月23日の暫定開業時は、大宮-盛岡間505.0kmであった。1985年3月14日の上野-大宮間26.7kmが開業(最高速度110キロ、2021年から130キロ毎時)、国鉄分割民営化とJR東日本移管を経て、1991年6月20日にようやく東京-上野間3.6kmが開業。盛岡以北は2002年12月1日に八戸まで96.6kmが、2010年12月4日に新青森まで81.8kmの延伸により、暫定開業から28年を経て、713.7kmの全線開通を果たした。営業距離713.7km(実キロ674.9km)は、日本の鉄道路線として最も長い。■「旅と鉄道」編集部編『JR路線大全Ⅱ 東北本線』天夢人(山と渓谷社)、2021年(参考にした部分は、執筆が武田元秀・編集部と記載されています。)