カテゴリ:東北
最近知ったことだが、体重計は北海道と沖縄で設定が違うのだという。北と南で地球の重力が異なるから、正しく量るための工夫である。一般用では列島を2地域か3地域くらいに分けており、より精確さが求められる医療用機器だと、10以上の地域区分があるのだそうだ。
なぜかこの話を思い出して、タニタのとある体重計の解説を見てみる。3段階に設定が分かれているようだ。私は、カップ麺のスープの味が関東と関西で違うように、地域によって出荷する製品自体が分かれているのかと思った。しかし、そうではなくて、一個の製品中の設定で変更する仕組みになっているようだ。わが家の体重計はそんな設定機能はないと思うのだが、とにかく私は知らなかった。 この解説書の8ページに「地域設定」の説明があり、3段階に分かれている。引っ越したら設定をやり直すようにとある。 地域1(北海道)、地域2(本州、四国、九州)、地域3(沖縄)。わが東北は第2区分ということになる。 オムロンでは、地域を2段階に区分した製品があるようだ。その解説書の10ページに「重力設定」がある。列島をスッパリと南北に切り分けた図がある。「重力加速度の影響を補正する」との科学的な説明があって、地域番号1(北海道から、茨城、福島、栃木、新潟、富山、石川の各県まで)及び地域番号2(それ以外)となっている。 それでは、医療用はどうか。エーアンドデイの製品の解説によると、使用地域区分として、5つの区分がある。第1の地域が北海道で、第2の地域区分が、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県の5県の地域。重力加速度の範囲は、第1が9.803~9.807m/s2で、第2の地域は9.799~9.804m/s2と書かれている。使用地域(都道府県)を指定して下さい、とあるので製品が別に作られているか、あるいは工場出荷時に調整するのだろう。 ところで、どうして北と南で差が出るのだろうか。にわか勉強してみた。 体重計は、質量を表示するのではなく「重さ」を測定するものだから、重力が異なれば指し示す値も異なることになるだろう。重力加速度は緯度の高低により異なり、 札幌 9.805m/s2 仙台 9.801 東京 9.798 大阪 9.797 鹿児島 9.795 などとなっているのだそうだ。極地に近いほど、重力が強いということになる。これは、赤道付近だと自転による遠心力が働くから地球に引っ張られる力が減殺されると説明されており、赤道と極地では、0.5%ほどの差があるそうだ。 地球の重力加速度はg=9.8m/s2として計算せよ、というのが物理の問題の定番だったように思う。9.8は概数だろうが、仙台がその数値にいちばん近かったのだ。バンザイ。 ところで、よくよく考えてみると、そもそも重さとは重力に従うから、重力の弱い月では地球の6分の1になるはず。とすれば、仙台と沖縄で重力が違う以上、重さも違うように表示されるのがむしろ当然で、何も体重計の補正などしなくて良いのではないか、との疑問がわく。沖縄に行きましたら私、軽くなったのヨ。それがむしろ道理なのではないか。 地域区分で補正するということは、地域差をなくして比較できるようにするということ。とすれば、どこかを基準としているのだろう。もっとも、基準となる地点以外では、本来の意味の「重さ」ではないもの、基準地点に身を置いた場合の重さ(に近い値)を測定することになってしまうはずだ。 基準があるのならば、いっそのこと、東京などではなく、9.8チョッキリの数字を標準として欲しい。そう、たまたま、仙台付近がその地点のはずで、とすれば、わが東北がスタンダードとして鼻が高い。 それは計量法関連の決まりで定められているのだろうか。それとも、こうした私の思考法が間違っているのか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.09.23 00:03:55
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