カテゴリ:宮城
一般に学校名に東西南北を冠する場合、地域名+「東」+「小(中)学校」の順になると思われる。
これは、東西南北の方位名が、小中学校を区別特定するための役割を持っているからであり、つまり、古川「第一」小学校、古川「第二」小学校の場合の序数と同じように、複数設置する学校を相対的に区分する指標と言って良いだろう。 他方で、方位を冠する学校名には、「東」+地域名+「学校」の順も結構ある。例えば、東仙台中学校だ。この場合は、実はまず「東仙台」という定着した地域の名称があって、そこに学校呼称を続けるというケースだろう。つまり、実態は「地域名」+「学校」という自然な命名であって、方位名や序数で相対的に区分する方式ではない。「東仙台」なる地名が絶対的に存在しているから命名しただけであって、東仙台中学校はあっても西仙台中学校があるとは限らない(実際に存在しない)。 「東」が地域名の後に来るか前に来るかの違いは、通常はこのような考えが原則だろう。 ところで、大崎市には、「西古川」小学校と「古川西」中学校がある。 まず、小学校は、古川第一小学校から第五小学校まであるほかに、西古川小学校があるわけだ。東古川小学校はない。中学校については、古川中学校のほかに、古川西、古川北、古川東、古川南の各中学校がある。 想像なのだが、小学校の命名の際には、地域の総称として名付けた。東仙台のように町名や字名には明確にないようだが、鉄道の西古川駅があるように根付いた地域名だったのだろう(その点では北仙台小学校と似ているかも)。ところが中学校の設置(統合かも知れぬ)の際には、先行した古川中、古川東中との相対的区分と命名法統一のために、古川「西」としたのではないか。 西古川小学校と古川西中学校は学区が重なっている。このため、該当地域の子どもたちは、西古川小を卒業すると古川西中に入る。何で学校の呼称が順番違うのかと定番の話題になっているのではないだろうか。それとも幼少から意識に定着しすぎて気にもしないか。 類似の状況に、奥州市の東水沢中学校と水沢南中学校がある。東水沢は地域名、水沢南は後発設置校として区別のための標識だろう。 以上から、次のように一般化し整理しておきたい。 (1)(地域名)+(方位など)+(校種名) 具体例:古川西小学校 方位などによって相対的に学校を区分識別させる (2)(方位など)+(地域名)+(校種名) --> 実は(地域名+校種名)に過ぎない 具体例:西古川中学校 方位は地域名の一部(実は方位を含めて固有の地域名というべき) ただし、ややこしいことがある。方位等を相対区分の標識として用いるのは前者(1)の語順の場合と思われるのだが、後者(2)の語順に見えて、実は相対的区分の標識として方位等を用いる場合もないとは言えないのでないか。例えば、むつ市に第三田名部小学校がある。「第三田名部」が地域名でないのは明白だから、語順は(2)に見えても、用法は相対区分指標だ。序数でなくて東西南北の方位の場合でも、このパターン(語順は(2)だが実は相対的区分)も、無いとは言い切れないのでないか。 ■関連する過去の記事 むつ市立第三田名部小学校(2011年8月21日) 原則が常に妥当する訳ではないことを証明するには、一つだけ例外を示せばよい。そう思って、(2)の語順で実は相対区分標識として方位を用いる校名を探しているが、まだ見つからない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.01.27 10:23:16
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