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2015.01.17
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カテゴリ:宮城
酒は縄文の昔から生産されていたと推定されるが、記録として残る宮城県内の酒造の起源は、仙台藩祖伊達政宗公が、大和国榧森(奈良)に住む又五郎を召し抱えて(榧森又右衛門)、御城内定詰御酒御用としたことに始まる。

榧森又右衛門は青葉城三の丸南に酒造蔵と居宅を与えられ、その後12代にわたり領内の醸造技術の発展に努めた。

安政4年(1857)には伊澤家が仙台藩御用酒屋を拝名し、以来現在も名醸「勝山」の銘で酒造りを続けている。伊達の気質と言うべき進取の精神や伝統の技を受け継ぎ、少量高品質という徹底した良酒へのこだわりを持ち続けている仙台を代表する蔵だ。

城下にはこれら藩御用達酒屋のほかに、町酒屋もあった。しかし仙台藩は米が主要な経済物資だったため、大量に米を消費する酒造りを制限することが多かった。特に、元禄宝永年間は、町酒屋はもとより自家用酒も徐々に制約を受けた。

このように宮城の酒造りは厳しい状況下に置かれ途絶えた酒蔵も多いという。

■参考 『みやぎ地酒の旅』河北新報社、2000年

わが宮城県は、小さな酒蔵が多く、酒も少量生産で地元でしか手に入れにくいのが特徴だそうだ。特定名称酒の割合も全国トップクラスを続けている(おだずま注:上掲書の時点)。

昭和61年、宮城県酒造組合は、みやぎ・純米酒の県を宣言し、全蔵元が参加して宮城米100%の酒造りを開始した。しかも、精米歩合60%以上の純米酒という日本酒本来の酒造りを。さらに平成5年からは独自に認証基準を設けて品質維持に努めている。

また、地元宮城の酒米を求めて、山田錦を母に寒冷地向きの品種の交配を重ね、ついに平成9年に「水稲農林351号」として登録、「蔵の華」と命名された。

酒蔵は小さくても、地の水や米を使い地元に愛されてきた酒こそが本当の地酒である。


以上は、上掲の本によるのだが、宮城の地酒を発展させようとする心意気が感じられる。本には、37の蔵や銘柄についても詳説されている。

宮城の酒について様々な角度から、今後当ジャーナルとしても研究を深めていきたい。

■関連する過去の記事
 きき酒を考える(2013年9月21日)
 仙台城の酒倉と榧森又右衛門(07年9月19日)
 清水門跡(07年7月13日)





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最終更新日  2015.01.18 11:25:02
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