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2019.12.30
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カテゴリ:東北
念願の資福寺跡を訪ねた。よく晴れた冬の日。入り口の民家の方に御挨拶したら、パンフレットをいただいた。この先の杉の木のところが寺の跡。寺が移るときに、この家(指さして教えてくれた)に墓守を託し、そのかわり寺の土地を畑にして良いとされた、と。

山々に囲まれた盆地まほろばの里に、伊達家の歴史がある。以下、このパンフ(高畠町観光協会)による勉強です。

建久3年(1192)鎌倉幕府誕生とともに置賜の地は長井氏に支配されていたが、天授6年(1380)伊達家8代宗遠が長井氏を滅ぼし、以降、14代稙宗に至る162年間、屋代(高畑)が伊達家支配の拠点とされた。

屋代(高畑)は、承安年間に藤原秀衛のいとこ樋瓜五郎季衡の築城と伝えられ、形状が釣鐘に似ているため別名を鐘ヶ城と呼ばれた。天授6年(1380)長井氏を滅ぼした8代宗遠と9代政宗が置賜の本拠として修築したと伝えられる。宗遠は、大崎、信夫、刈田のほか、柴田、伊具を支配し、また、足利政権とも交流を図った。伊達氏が本拠地を米沢城(長井氏の居城)ではなく高畠を選んだのは、赤館城(伊達氏の居城)に近く、二井宿峠を控えた要害の地であったことから。

9代政宗(儀山)は、柴田、名取、宮城などに進出。これにより伊達氏の領国範囲がほぼ決まる。
屋代(高畑)が名実ともに置賜の中心城になる。また、政宗は応永4年(1397)に上洛し足利義満に謁見。儀山政宗は文武両道に優れた。墓は野手倉と資福寺跡にある。

14代稙宗の時代にはさらに領国体制が進展、伊達家悲願の陸奥国守護職の地位を得る。また、塵介集(領国をまとめるための法)、棟役日記(百姓屋敷への徴税規則)、御段銭古帳(田畑への徴税規則)などを成立。伊達家の基盤を固める。しかし15代晴宗と内乱(天文の乱)を招き家督を渡す結果に。15代晴宗が天文17年(1548)米沢城に移る。

16代輝宗は思慮深い人柄で、働き盛りのうちに家督を政宗に譲る。天正13年(1585)、畠山義継に突然拉致され不慮の死を遂げる。資福寺跡の夏刈の地に、輝宗と重臣遠藤山城守基信を葬った五重塔がある。

資福寺の住職であった虎哉和尚は、輝宗から政宗の師匠として招かれた。資福寺は、弘安年中に長井氏3代時秀西規が、領内東西交流の中心である夏刈の地に、鎌倉建長寺の僧紹規紹を招いて建てた。この地に伊達氏が夏刈城を築き、資福寺を帰依寺、学問寺として保護した。現在の資福寺は、政宗の移封に伴い、岩出山を経て仙台市に移動。仙台城の鬼門を守る北山五山の一つ、臨済宗妙心寺派、資福禅寺として多くの参拝客で賑わう。

独眼竜で知られる17代政宗(貞山)は、母義姫が亀岡文殊堂の長海法師を通じて、湯殿山に出向き護摩を行い誕生したとの伝説が残される。亀岡文殊堂は日本三文殊に数えられ、大同2年(807)徳一上人によって開かれた。願望成就、智恵の文殊として受験シーズンに全国から多くの参拝客で賑わう。

政宗は虎哉和尚のもとで成長し、18歳で家督を継ぐ。政宗時代の伊達家の勢力は、稙宗、晴宗をはるかに超えて南奥州の統一に向かう。天正19年(1591)秀吉の命令により置賜の地を後にし、岩出山に移封される。

あるときはあるにまかせて疎けれど
なき跡を訪ふ草枕かな
貞山政宗





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最終更新日  2019.12.30 19:51:12
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