NHKで『日中は歴史とどう向き合うか』という番組をやっていた。少し始まりを見逃したが日中平和友好条約締結にいたるまでのプロセスはなかなか面白かった。田中角栄はいい仕事をしたと思う。毛沢東および周恩来も偉かった。日本への賠償請求を放棄したことは大きい。その代わりに日本は中国へのODAを積極的に行った。条約の文言の駆け引きが面白く、結局、日本は中国への侵略を反省し責任を感じるというような(詳細を忘れた)文言を残した。きちんと謝罪したのだ。中国サイドでも条約締結反対の人を説得するための教育が行われた。『二分論』という考え方で、悪いのは軍国主義の指導者であり、多くの日本人も軍国主義の被害者というもの。この考え方は95年からの江沢民の反日教育にも受け継がれている。悪党を明確に定めることで、どうにかおとしまえがついたわけで、中国にしてみれば、その悪党を政府の要人が弔うということには、とても同意できないことは私も理解できる。
後半は識者による討論。中国人の学者が「学者として」と前置きしながら、「中国の反日教育は反日教育だとは私は思っていない」という言葉が印象的であった。なんというか、本当は中国共産党のバリバリスポークスマンであることがよくわかる。中国ってこういう国なんだよな。
天安門事件を契機に反日教育を重視することになった中国であるが、成果は大きく、ネット社会になって中国においても民意が成長し、反日感情の高まりも増徴している。昨年の日本大使館に対するデモが象徴的だが、政府は世論の操作に苦慮しているところもあると思う。靖国問題について、ある程度強い態度にでないと人民が納得しないということもあるかもしれない。巨大な民を先導していくのは大変なことなんだなと思った。中国共産党も政権の維持にたいへんだ。壊れたらそれこそ大変。ガス抜きの意味でも反日政策は続けなければならない様子である。
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最終更新日
2006年08月15日 03時18分19秒
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