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カテゴリ:ソーシャルなワーク
仕事について、私の口癖のひとつに『仕事はブーメランだ。』という言葉がある。仕事を自分の系列とか、グループの中だけでぐるぐる回しているようでは成長しない。楽だし、利益をすべて手にしているように思って囲い込む人が多いが(福祉の世界しか知らないが、女性はどうしても目先のアメに目がいってしまう)、仕事は外に出すことで、またこちらにも返ってくるものなのだ。
私がケアマネジメントをするにあたって、属する組織のヘルパーステーション等だけでなく、ケースに応じてふさわしいと思う他の事業所に仕事を頼むことを私は積極的にやった。私の仕事ぶりが相手にわかるし、相手の仕事についてこちらは密かに評価もできる。私がきちんとハンドルを切れば、仕事はちゃんと進む。それを相手は評価をし、しばらく経つと、今度はこちらに仕事がやってくる。(仕事を直接受けるのは、私でなくて現場のスタッフだが)小さな仕事であれ、新規の仕事については丁寧に行うように、私は指示を出す。現場の人(例えばヘルパー)は、その仕事が外の人のハンドルで動いており、なあなあが効かないことや、きちんと仕事をすれば社外の人に感謝されることを知る。自分の仕事は、属する組織だけでなく外でも評価されると大きな達成感を得る。これは大切なことだと思う。 私が居宅介護支援事業所のケアマネージャーをしながら、デイサービスの相談員も兼務していたときに、外部のケアマネの仕事を大切にしろとスタッフによく説教した。多くの事業所ではに押し出しの強さ(ようするにずうずうしさ)で仕事をするようなケアマネのおばさんはまだまだこの業界にはたくさんいて、現場の介護スタッフは、クチだけのそんな人を内心ニガニガしく感じていることだろう。外部ケアマネの仕事を積極的に受けて定員を埋めてしまえば、デイでは、目の上のこぶみたいなケアマネからの、へんてこなオーダーを断れるようになれると思う。サービスを提供する側が自立することはこういうことだ。デイがきちんとすると、これまで押し出しの強さでグイグイと仕切ってきた、仕切りたがりのケアマネージャーは、いつの間にか姿を消す。で、その人はデイへのオーダーをどうするのかというと、外に仕切りやすい(クオリティーの低い)デイサービスへと向かうようである。 面白いもので、質の高いところには、そんな人が集まり、逆も真なりだ。もうやめちゃったが、かつての職場においても、外部の仕事を大切にという教えは、私の後の主任や相談員へも継承された。 今となっては昔の話だが、私がデイの相談員としてインディペンデントな状態にしていく過程で、じぶんの受け持ちのケアプランにおいて、じぶんの組織のデイサービスへプランが立てられずに、外へオーダーしなければならないことがときどきあった。近視眼の人には理解しがたい仕事のスタイルかもしれない。が、これがケアの質を高めることにつながり、また私を出発点にして仕事の領域が拡大していくことになるのだ。介護保険制度において、この事業は協調しながらの競争となる。この原理がわからない人はアンポンタンなり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月24日 11時49分55秒
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