本日は穏やかな小春日和ナリ。ひきこもってばかりいては、よくないから車椅子状態のオフクロを連れて外出することにした。アウトレット店が並ぶショッピングセンターだ。ガーデンウォークというところ、知っている人は知っている。暖冬につき、アパレル業界は大打撃を受けているものと思われるが、郊外の勝ち組の人たちの財布の紐はいがいにゆるそうで、売り場はやや残骸の印象もあり、バーゲンは終盤を迎えている様子であった。オフクロはどんな服がほしいのかといえば、特にとりたてて寒さに困っているわけではなく、足りない服があるわけでもなく、目に付いたものがほしいだけなのであった。買い物することに意味があるのだな。母が興味を持ちそうな店へ車椅子を押し、品定めに付き合い、合間に自分の品物も物色した。オフクロはバーゲンの残りカスのような品を何品か買い、それでも久方ぶりの買い物だったので、うれしそうだった。私はハーフコートの代用となりうる分厚いウールのカーディガンを買った。(ワールドのなんとかという名前)この冬、いかにも売れなそうなアイテムで、すごくあったかく、おしゃれで、私はいい買い物をしたと思っている。(我が親子のバーゲン哲学は来年以降の季節を想定しての買い物なのだ。)
私は、就職面接時に腕時計がないとかっこわるいと思って、シチズン直営のアウトレット店舗に母を連れて行った。どうしても奇抜なアイテムに目が行く私であるが、母は、もういいかげん年を考えろという。FURLAと書いてあるアンティークな時計がちょいといいいと目に留まった。女性店員はやや控えめな印象で、雛顔で、かわいい顔をした女で、「人気の品です」というようなことをいった。母を連れての買い物は1時間が限界で、あわただしくポンポン購入していくわけだが、ポンと買ったFURLAという時計はレディースモノであった。女性店員よ、なぜそれを言ってくれぬ!帰宅して『furla』とググってすぐにわかった。平気な顔してオレサマに女性モノを売りやがったと思いつつ、「また返品にいかねばならなかったジャマイカ。」
店員は(へ?何がいけなかったのかしら?)と、いい年をした男性に女性モノ時計を売ってしまった過失について認識がない様子であった。(天然ボケかしら)「女性が男性の時計をつけるのは、オシャレとしてありだよ」とオフクロもいっていた。でも、逆は…。とっとと返品させながら、顔をよくみれば22歳くらいと思っていたルックスは実は三十路を超えていて、私はなんというか、その点でも撹乱されていたことをちょっぴり恥じた。それでも「また来ます」なんて微笑して去っていくオレはなんだったのだろう。要するに精神的に女日照りというわけだな。
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