じつは9日に精神科病棟を退院をしていました。病状がよく、就職活動もややいい塩梅になりめどがたってきたので退院していいやとじぶんで思ってそうしました。病院生活に飽きてしまったんですね。精神科の入院というものは内科や外科とちがって、退院を見極めるのがけっこう難しいです。私の場合は、病棟での生活に退屈し、「たいくつだ、たいくつだ」と日々、口走っておりました。やることといえば喫煙するだけでね。私はタバコは吸わないのですが、あまりに退屈で間が持たないので、他の患者の、まねをしてタバコを吸っていました。それでもどうにも退屈で、病棟にいられなくなっていると、Wさんが「こんなところに長くいるもんじゃないよ」と私にいいまして、そのとおりだなと悟ったのです。Wさんは医療保護入院のため、病状はまったくなくなっているのに家族がOKしないので退院できないのです。彼にしてみたら、私の入院はWさんの目からすると妙だったのでしょう。私の場合は、じぶんで「入れてくれ」といって入院し、じぶんで好きに外泊をして好きなように退院できたわけなので、そういう点では自由な患者でした。
◎8日の夜、退院を明日に控えた私は最後の病院の食事にうんざりして我慢できなくなった。豆腐がメインディッシュ。糖尿病の食事みたいで、食べても腹がまったく満足していない。私は伯爵というニックネームのおじさんに「ありますか?」と聞いた。「あるよ。」とやや秘密めいた言葉をぼそりという。「私の部屋にきなさい」というのでいってみた。ベッドの衣類をしまう戸棚に菓子パンとカップ麺がいくつかおいてあった。私はカップヌードルをくれといった。「160円だよ」金は伯爵がコンビニで買ってきた料金で、とくにこれで商売をしているわけではなくてただの善意によるものだった。ただ割り箸をもってなくてたのむと箸だってタダじゃないといわれて10円を払うことにした。まあいい。私はそのカップヌードルが1000円であっても買うつもりでいたのだ。そのくらい病院の食事にあきていた。じっさい、病室でのこいつはうまかったな。カップヌードルを文字通りむさぼるように食べた。もう、病室の生活はこりごりだと思った。
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最終更新日
2008年10月10日 05時21分06秒
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