|
テーマ:我が家の小鳥(2335)
カテゴリ:家族や地域、学校のこと
姉家には可愛い小鳥が飼われている。種類は金華鳥と手乗り文鳥。文鳥の名は「チュン」。よくある名前だ。たくさんの金華鳥の中にあって、一匹狼ならぬ一匹文鳥。孤高のメス文鳥である。
そこにやってきたのが、オスよりもちょっと高値で売買されるメスの金華鳥「ちび」。なんと成長するにつれ、チビはオスであることが分かった。子供たちは、オスの方が安いので、差額を返金してもらおうと、母に詰め寄ったが、母は取り合わなかった。そうこうするうち、ちびは大きくなって、ちび改め「しろ」を襲名した。 ひょっとすると、性同一性障害かも・・と言う家族の心配をよそに、しろはすくすくと成長した。とろこが、ある日、そのしろの様子がどうもおかしい。文鳥のチュンに、気がある様子。他の金華鳥は、どれも番(つがい)になっていて、それぞれよろしくやっている。あぶれたチビ改め「しろ」が、一匹文鳥のチュンに心惹かれたことは、自然な流れだったと言えばそうかもしれない。 しかし、ペット屋の常識として、金華鳥も文鳥も、負けず劣らず気の荒い種で、一つ屋根に住まわせば、血を見る争いが起きることは火を見るより明らかだった。だから、姉一家も、いくらしろがチュンに恋しようと、一緒に住まわせるわけには行かないと思っていたが、しろのチュンへのあまりにけなげな思いが深まれば深まるほど、とにかく、一度、コンタクトをとらせてみようということになった。 かくして、一つ屋根に暮らすこととなったしろとチュン。しろは懸命にチュンに向け、求愛のダンスを踊り続けた。いつしかチュンの心には、ほのかな恋心が芽生え、激しくしろを攻撃しつつも、時折、女らしいしぐさを見せるようになっていた。そしてついにその日がやってきた。小さなしろが大きなチュンの上にのり、愛の営みに至ったのである。二人にとってそれは甘く切ない、ちょっぴりすっぱい、初めての経験であった。その一部始終を見て、メインブリーダーKUMIKOが、一言つぶやいた。 「やってる、やってる。」 ちなみに彼女は小学5年生である。 そうしてお正月がやってきた。元日、実家に集まっての食事会は、文鳥のチュンと、金華鳥の白の話題で持ちきりだった。 「子供は出来るのかしら?」 翌日、自宅へ帰った姉から電話が入った。 「巣に3個の卵が産まれているわ。」 数日後には4個に、さらにその数日後には5個に増えた卵。もし、この卵が孵化すれば、産まれる雛は犬で言えば雑種。でも、聞いたことない、鳥の雑種なんて・・・・・。 今、私の胸は、この卵から産まれる「文華鳥」の雛のことで一杯だ。これで、日本の少子化問題に、いくばくかの歯止めが掛かればと思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[家族や地域、学校のこと] カテゴリの最新記事
|