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第五十三段 ~ネクスト16 彼を抱いたのか?~ ★☆★☆ 第五十四段 総帥の後にすぐポールから連絡が入った。 ジョンはきりきり胃が痛み始めた。 『サー』 弱気な声が出た。 ポールの方は興奮していた。 そうか、もうか。電光石火だな。 総帥とのやりとりの一部始終を聴いて おかしくて溜まらないといった感じで笑い出した。 『私の方は、 あれからすぐに、ある筋の人間に噂を流させたのだ。 するとアンナに誰かがご注進に及んだ』 ああ、美しいアンナ。 心優しい、ポールの妻であり、ジョンの養母。 そしてアレクの実の妹だ。 『こちらも電光石火だ。』 ポールは続けた。 アンナがアレクに連絡を入れた。 シアンと自分の息子を結婚させろと。 いかにアレクがアンナを大切にしていようとしかし シアンは特別だ。 『それにアンナはまだ知らんが、シアンは宮殿には居ないのだしな。 アンナは保留と言われて、今ぷりぷりしておる。』 ポールはくすくす笑い声を上げた。 彼がこんなに上機嫌なのは何年ぶりだろうか? ジョンは皮肉な気持ちになった。 自分の息子がギロチンの刃の下に首を晒しているのを 見て、興奮しているのだ。 『火星の仕事に戻っている場合ではないだろう』 ポールは言った。 『でも潜入している部下たちが私を待っています』 『そいつらに任せることはできないのか?』 大使の暗殺計画。 世界政府軍の元帥だった男。 ロバート・スティール。 キューザック家のライバル。 水星奪還作戦の中枢にいた男だ。 そして、作戦が現実化した時には、遠く父親の国、海王星の基地で 身を守っていた。 キューザック家の息子たちが放射能に焼かれている時、 スティール家の全員はぬくぬくと暗黒の海王星の設備の整った大邸宅で 祝宴を催していたのだ。 太陽系の深淵ネプチューンからいぶり出されて、 今は元反政府軍の星の大使館に事実上の島流しだ。 彼が死刑にならなかったのは 名門スティール家が政府軍の初期のころの財政を 大いに助けていたという並々ならぬ功績を 配慮したからに他ならない。 公には、水星に派遣された政府軍が全滅した時、 スティール家は勲章を賜わったのだ。 敗北の後始末を見事にやり遂げたという名目で。 実際、いち早く水星に大量の軍隊を送って、 死の惑星を守っているのは、今もスティール家だった。 敗北したにもかかわらず、反政府軍の手から水星をもぎとったのは 確かにスティール家の大手柄かもしれなかった。 宇宙の墓守り。だが、多分、その裏で水星の地下資源の独占が 行われているはずだった。 ポールの復讐劇は山場を迎えようとしていた。 ロバート・スティールの暗殺計画は、 ポールとアレクと軍のトップクラスの内の 一握りの高官でのみ立案され、 実行に移されている粛清の一部だ。 その手先がジョンたち特殊精鋭部隊だった。 その計画、悲願を危うくしても、ポールはシアンとジョンの結婚話を 優先しようとしている。 釣り竿はポールの手にある。そしてアレクの手も添えられている。 ジョンの命は風前の灯だった。 頼みの綱はシアン。あの弱々しいドール。 こんなことになるとは。 つづく 今でもあなたは探しているの? 醸し出されることのない美酒を 雨に負けぬ花になるというの? やわらかな心を石に変えて 無様な塗り絵のような街でさえ 花びらに染まるというのに 今はただ春をやり過ごすだけ 浅い夢 酔えないあなたのように 行き先も理由も持たない孤独を友として 『愛のCoda』 キリンジ 歌詞全文 ↓次回です♪ 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第五十五段 最初からお読みになりたいごキトクな方は (たぶんいらっしゃらないと思うけど) 下記の 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表 ↑ からどうぞ♪ ウィリアム・フォン、馮紹峰、フォン・シャオフォン、ペン・シャオペン 以上全部同じ人(笑) 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表ってことでヨロシク♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2017.07.17 21:24:29
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