水野和夫:「資本主義の終焉と歴史の危機」 (集英社新書)
何やら大変なタイトルですが、一考に値する本です。【楽天ブックスならいつでも送料無料】資本主義の終焉と歴史の危機 [ 水野和夫 ]価格:799円(税込、送料込)水野和夫さんは、証券エコノミストとしての経済分析の一方、マクロ経済、国際金融を文明史論的な視野からの著作も多いです。民主党政権で内閣官房内閣審議官などを務めた経験の持ち主です。水野氏は本書で、・極めて稀な長期にわたるゼロ金利が示すものは、資本を投資しても利潤の出ない資本主義の終焉である。・他の先進国でも同様の傾向が見られ、近代を支えてきた資本主義というシステムが音を立てて崩れようとしている。・一六世紀以来、世界を規定してきた資本主義というシステムがついに終焉に向かい、混沌をきわめていく「歴史の危機」である。・この大転換期に日本がなすべきことは何か?といった事を主張されています。資本主義がいつ終焉を迎えるのか予測するのは難しいことですが、資本主義を支えるフロンティアが少なくなりつつあるのは事実でしょう。アメリカも泥沼化したベトナム戦争から撤退以来、植民地的支配には慎重にならざるを得なく、地理的なフロンティア開発が難しくなっています。代わりに政府事業を民間に切り出して新たなフロンティアを創造したり、産業を金融シフトさせ電子空間にフロンティアを創造することにより、経済成長を維持しようとしています。結果、オバマケアが一部企業の為に骨抜きにされたり、ゴールドマンサックスがギリシャ経済破綻の契機を作ったり、サブプライムローンの焦げ付きを契機とするリーマンショックなど、無理な成長が社会に大きな打撃を与える問題が顕在化していると捉える事もできそうです。日本は貿易摩擦以降、グローバル化に出遅れた為、低成長が長く続いています。そうした事から、水野氏は日本がポスト資本主義に最も近いと考え、民主主義が機能する内にポスト資本主義社会を目指す事を提案しています。残念なのは、目指すべきポスト資本主義社会が具体的に描かれていない事ですが、資本主義が実は盤石のものではないと気づくだけでも大きな収穫でしょう。以下の本を合わせて読むと、昨今の資本主義の課題や、今後のあり方のヒントが少し見えてくるかもしれません。【楽天ブックスならいつでも送料無料】21世紀の資本 [ トマ・ピケティ ]価格:5,940円(税込、送料込)【楽天ブックスならいつでも送料無料】(株)貧困大国アメリカ [ 堤未果 ]価格:820円(税込、送料込)【送料無料】 ポスト資本主義社会 ドラッカー名著集 / ピーター・ファーディナンド・ドラッカー...価格:2,160円(税込、送料込)さて、本日のランキング商品ピックアップは、ショップワールドさんのアナログテレビに接続してデジタル放送が受信できる!SALE 【着後レビューで送料無料】 トライ...価格:4,200円(税込、送料込)TV・オーディオ・カメラ部門のトップです。この3月で、ケーブルテレビ局のデジタル-アナログ変換サービスが終了になるので、駆け込み需要ですね。何も新しい物を買うだけが能じゃない、セカンド・テレビなど今あるアナログテレビで十分という方には有り難い商品です。