行きかふ人も又

2008/09/24(水)22:02

『佐々木丸美展』 えりも町「風の館」にて

鑑賞 etc(37)

 日曜に、『佐々木丸美展』が開かれているえりも町へ行ってきました。 帯広駅に11時に降り立ち、迎えに来てくれていた旧友Sちゃんの車で、一路えりもへ。 途中でお昼になり、飛び込みで林の中の小さな洋食店ウェザーコックに入りました。思いがけず美味しいピザとクリームパスタに舌鼓。コーヒーも美味しかった♪ えりもは帯広から車で2時間の場所。途中からはずっと海沿いの寂しい道をいきます。本当になにもない、春でなくてもなにもないところ。そんなグレーの景色の中、突然目に飛び込んできたアザラシの群れのようなもの。よく見れば、真っ黒なウェットスーツに身を包んだたくさんのサーファーたちでした。さらに暫く行くと(たぶん鮭狙いの)釣り人たちが、いっぱい沖へ向けて竿を出していました。 えりもに着いたのは2時ごろ。誰もいないことを予想していただけに、案外観光客が多くて驚きでした。道内外からの人でまずまず賑わっています。 北海道の最南端、えりも岬のすぐ横にある風の館はすぐにわかりました。石造りの施設は、海側が一面ガラス張り。丸美作品のイメージに重なるといいますが・・・。 最南端の風土を伝える施設そのものという感じで、私には特別な思いは湧かない建物でしたよ(笑)    そんな「風の館」の2階の一画で、ひっそりと『佐々木丸美展』は開かれていました。 私が足を踏み入れた時には誰もいなくて、とても静か。ファンの方に会えるかもという僅かな期待は破れてしまいましたが、そうですよね・・・最南端まではあまりに遠い。いくら地元の人でも、車を走らせてここまで来るには、かなりの気力と決意を要します。 私はといえば、ずっとSちゃんにハンドルを握らせて、話しに夢中になりながらの来訪。もし彼女に運んでもらえなかったら来られかったろうと思うと、感謝カンシャ!でした。 展示されているものは、先日の紀伊国屋書店で観たものと重なります。今回は創元社から出版されている館シリーズの牧野千穂さんのカバーイラスト原画が新しく見られて嬉しかった!奥深い雰囲気のある絵は、味戸さんに負けないほど丸美作品に相応しい感じがしていいですよね~。感激です。 直筆原稿は何度見ても感慨ふかく、ファンの方が残していったメッセージノートを読むと、さらにまた感動します。 ウイさんはじめ、この展示会を企画してくださったすべての方に感謝します。 休日に遠路までお供してくれたSちゃんもありがとう!自分にとってはなんの目的もないものに付き合ってくれて、しかもなにもない道のドライブありがとう。それを楽しいものにできるのは、友達同士の強みだね。 札幌から汽車で2時間半、そのまますぐに出発して、昼食タイムを入れて3時間。1時間見学して、また2時間以上かけて帯広に戻りました。 公園で遊んだり、温泉に浸かったりしながらゆっくりと。 その夜はSちゃんの家に泊まることになっていたので、居酒屋で飲みながら語らって、帰宅後も夜中まで語らって、久しぶりに本当に嬉しくて楽しい、名残惜しい時間を過ごしました。 翌日、早いうちから近くの大きな公園でマウンテンバイクをレンタルして、十勝晴れの清々しい空気の中を自転車漕いで散歩。 ここ暫くの私がリセットされていくような、漂白されていくような感覚。腹いっぱい笑い、悦び、楽しみました。Sちゃんにとっても同じだったみたい。 やっぱり持つべきものは友達だなぁ。この1年はろくに人に会えずにいたけど、それじゃあいけないね。そんなことを実感しながら、帰りの汽車で爆睡してる間に、気づけば札幌。帰りは早く、すっかり秋の気配がしています。

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