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テーマ:英語のお勉強日記(8039)
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今日もLAは太陽サンサン、いい天気。自称、“世界でもっとも偉大な探偵”、エルビス・コールは草花の手入れをしていた。そこに15歳を筆頭とする姉、弟、妹の3人の子供たちがやってくる。「電話帳を見て来ました。探偵のコールさんでしょ。お父さんを捜してください」。 エルビスは依頼に来た彼らの年齢が年齢なものだから、初めは警察や児童福祉センターに連絡しようとする。だが、何やらいわくつきの現実を受け入れて大人びて生きる3人の子供たちに次第に心を動かされ、相棒のパイクとともに行方不明の父親捜索を開始する。それが命を賭した捜索活動になるとは知らずに……。 姉のテリの視点から語られる冒頭は一気に読者を引きこみ、巧い。どうやら自分たちの父親は悪い奴らに命を狙われているようだ。だからこんな雨の夜、黒コートを着た人たちにガードされ、人目につかないように逃げなくてはならない。新しい土地に行ったら自分たちの名前も変えねばならないこの逃亡劇が、ひじょうに“切羽詰った事情”によるものであることを子供心にも何となく理解しているテリ。 読者には読み進めるうちに、そしてエルビスが調べていくうちに、テリには分かっていない事実が明らかになっていく。それは彼女の家族が証人保護プログラムを適用されていたこと、命を狙われるのはドル紙幣偽造とロシアマフィアに関係があること、黒コートの男たちは連邦保安官だったことなどだ。 このところ、この路線で行くとどこまでもシリアスでダークなプロットというのを続けて読んで食傷気味だった。しかし本書は押さえるところは押さえつつ、エルビス流ワイズクラックもさえまくり、テリたちに感情移入しながら、時に涙をほろっと流し、さらっと読み通せたところがポイントが高い。初めはエルビスたちの敵に回るどこか間の抜けたヴェトナム革命家の設定も面白かったし、相棒のパイクはもちろん、エルビスの恋人、ルーシーも出てきて非常ににぎやかだ。 プロット的には調子よく進みすぎるシーンもあるにはあるが、読後に満足感を覚えられるのは、話の中心を事件そのものの根深さよりも、それぞれを思いやる家族愛に据えたところにある。大丈夫、この子達なら立派な大人に成長していける。そしてテリにはぜひともエルビスみたいなカッコイイ恋人を見つけ、絶対幸せになってほしい。 それにしても、エルビスもパイクも料理のできる男たちなのだ。これもカッコイイ。だけどパイクは台所に立つ間も黒いサングラスをはずさないのだろうか?(ISBN 0345435648) ペーパーバックで英語のお部屋にもいらしてくださいね ===================== 今日はいつものアフィリエイト商品ご紹介ではなく、PBのご紹介をさせていただきました。さて、次は何、読もうかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.03.05 18:37:39
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