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カテゴリ:スペイン、ラテンの作曲家
バティス盤
エンリケ・バティス指揮ロイヤル・フィル(ソプラノ:バーバラ・ヘンドリクス) 録音年月:1985年 録音場所:セント・ジェームス教会、ロンドン ---------------------------------------------------------------------------- 爆演指揮者バティスならさぞかし凄い事になってるだろうと誰もが想像するだろう。が、この人時折肩透かしをくらわせたりする。ことにロイヤル・フィルと組んだ録音では意外に(?)まともな音楽を聴かせてくれる。例えばレスピーギの「ローマ3部作」。世評高い(?)演奏なのでワクワクしながら聴いたけど大したことない普通(にうるさい)演奏だった。イギリスのオケが自発的に脱線を防止してくれたのだろうか。 ここに聴くヴィラ=ロボスも原始林の奥深く野鳥や猛獣たちの叫び声が咆哮、原色の花々が咲き乱れ、音の阿鼻叫喚、まさに音楽の地獄絵図だぁー・・・と古舘伊知郎ばりのトークは全く必要ない、太い歌をひたすら紡いでいく演奏だ。 いろいろな声部が聞こえてくるが未整理状態に聞こえ、それがジャングルなのだ言われれば確かにそうかもしれない。 ○第1楽章 ・ソプラノのハミングの出だし:第1音、第2音ともテヌートぎみに一息で第3音へ。 ・バーバラ・ヘンドリクスはやや暗い音質で妖しい感じ。太い1本の歌を紡いでいく。細かい表情付けは特に行われていない。 ・チェロのソロは可も無く不可もなし。 ○第2楽章 ・テンポは速いが、その分発音は怪しい。 ・「カリリの里を思い出させよ!」のあとのチェロは音量調整もなくそのまま進んでいく。 ・ラストはクレシェンドしてそのまま息継ぎ無く高音を響かせる。これも短くすぱっと切っていて気持ちがいい。 むせ返るような作曲者の盤とは改めて時代の違いを感じる。確かに普通に聴けばラテン人特有の濃厚な歌が聴かれるものの、香りというか格というか、かなり薄い印象を受ける。逆に言えば、よりインターナショナル、より耳に馴染める表現になってきたのかなと思える。 Barbara Hendricks『Villa-Lobos: Bachianas Brasileiras For Orchestra:』 最近はネットからダウンロードすることができます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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