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ボクの音盤武者修行

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2010年10月23日
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 2010年10月22日(金) 上野 東京藝術大学奏楽堂
 高関健 指揮 芸大フィルハーモニア
 交響曲第9番(マーラー)

 最近、指揮者の高関健さんのツイッターを読んでいます。指揮者という職業の人は普段どんなことをしているのか、どんな勉強をしているのか知ることができて、なかなか面白いです。

 高関さんと言えば、カラヤン指揮者コンクールジャパンで優勝、カラヤンの弟子としてベルリンで研鑽、帰国後は群馬交響楽団や札幌交響楽団などの音楽監督を務める傍ら、芸大や桐朋学園などで後進の指導にもあたっている、といった程度の知識しかありませんでした。
 彼の指揮を初めて見た(聴いた)のは、何年か前のラフォルジュルネ東京で桐朋大オケと「春の祭典」を演奏したときでした。きびきびした指揮ぶり、響きはスマートでありながら迫力十分、たいへん感銘を受けました。いや、衝撃的で二日同じ演奏を聞きに行きました。

 マーラーには事のほか熱心なようで、それは現在国際マーラー協会が進めている新エディションの刊行前に、記譜の誤りやディナーミクの変更など独自版を作成、逆に協会に送りつける、という大胆な行動にも表れています。
 彼の録音は少ないのが残念ですが、その成果は第7番や「復活」のCDで聞くことができます。

 彼はマラ9とブルックナーの第8番により指揮者を志したそうで、マラ9の演奏前にも独自にスコアの研究成果を協会に送付、「まあいいんじゃない?」との回答を受け(笑)、今回の演奏会に臨んだのでした。
 ここまではツィーターで逐一発信されていたので演奏会が大変楽しみでした。しかしながら実際の演奏は期待以上の出来で、これまた衝撃的でした。

 まず第1に、これほど真摯で衒いの無い誠実な演奏を芸大の学生諸君が成し遂げたということに感動です。プロでさえこれほどの手ごたえを持った演奏は滅多に聴けるものではありません。

 そして高関さんは単なる学究の徒にあらず、しなやかな歌に満ちながらも時に凶暴なまでのフォルティッシモ、繊細なピニッシモと変幻自在なスコアを通してマーラーが伝えたかったことに迫ろうとする気迫、集中力は最後の最後まで途切れることはありませんでした。

 譜面の違いははっきりとわかりませんでしたが、所々あれっという響き、特定声部の強調(特にバスの動き)などに現れていたのではないでしょうか。

 聴衆にはいつも不安を覚えていました。マラ9は最後静かに終わるので、フライング拍手やブラボーが起きるのではないかと。でも今回は音が無くなってしばらく静寂があり、指揮者がそっと指揮棒を置いてから自然と湧き上がるような拍手でした。おかげで素晴らしい瞬間を味わうことができました。高関さんも大きな事をひとつ成し遂げた満足感が終演後の表情に出ていました。

 高関さんは最終楽章のコーダ(弦楽だけでppで奏される)を「死に絶えるように」ではなく何か希望の光が遠くからぼおっと差しているような、あるいは希望の門にゆっくりと近づいているような、決して絶望ではない終わり方をしてくださいました。私はマーラーをもう30年以上聞いてきましたが、自分はこういうマーラーを聞きたかったんだ、と初めて気付かされました。

 実は演奏が始まる前に奏楽堂の地下にある自販機で飲み物を買っていたら、横の自販機でやはり飲み物を買っていた高関さんを見かけました。割と普通のおじさんでした大笑い。横顔がギターの大師匠に似ていたので一気に親近感が湧きました。

 これからしばらくは高関さんの追っかけをするつもりですスマイル








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最終更新日  2010年10月24日 00時50分36秒
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