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テーマ:教育は生き返るのか(195)
カテゴリ:ラグビー本舗
彼は3年前に卒業した。
今は会社に就職している。 細身だが非常に芯が強い男だ。 そんな彼が、急に学校に来校。 「現場が近くって、遊びに来ちゃいましたぁ!」 聞けば、職場で班長になるらしい。班長になると給料も上がる。 「若い奴らがすぐ辞めちまうから、班長なんすよ。」と顔がほころぶ。 懐かしい話しをしながら、職員室で反省文を書く後輩達を温かい眼差しで見守る。 その後彼がゆっくり話し出した。 「高校1年生や2年生に、理屈を話したって理解できないですよ。 俺だって、おっかなくって仕方なく頑張ってただけですからね。 ただ、3年になったり、こうやって働いたりすると、あの頃に先生が言っていたことが ようやく理解するんですよね。」なんて言い出した。 「確かにそうだよなぁ。子どもが理解できなくても、保護者がそのぶん理解して、信頼して、 協力してくれてたら、前に進めるんだけどなぁ、、、」と私はぼやいた。 「え?何か苦労しているんですか? でもまぁ、親が理解してくれなきゃ難しいですよね。 道をそれてしまっているのだから、そこから働いたり、上級校に通ったりって、、 普通は無理ですもんね。」 彼の両親は在学中、全面信頼で彼を我々に預けてくれた。 だから、単刀直入な意見交換が出来た。 お互い本当に思ったことでぶつかったし、融和もできた。 その方向性の中で彼が育った。 たった一例の結果論だが、、 現に彼は、現場で働いている。継続して雇用されている。 卒業生の中でも、中途退学、早期離職をしてしまっている者も多い中で、、 様々な事情を抱えた生徒の無事で安全な ”一時待避場所” として安住の地になっているといけない。 ”一時待避場所”は、文字通り”一時的に厳しい現実社会から、待避する場所”だから。 社会に出る前の訓練をしなければいけないのだなぁ、、、と彼を見て感じた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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