カテゴリ:短歌
1月11日『NHK短歌』 題「怒る」または自由 選者 高野 公彦 特選三首の中から、私が注目した歌にコメント。 怒ること知らないような夫と居てどこか寂しき常夜灯のいろどんな色だったのだろう。私のイメージとしては、やはり力なく青白い感じの色だったのだろうと思う。夜の闇をほのかに照らしてくれているのはありがたいのだが、それ以上の何ものでもない。昔の白熱電球のような色ならば温かさも感じられようが、蛍光灯ではむしろボーッとして冷めた感じである。作者の年齢はわからないが、この夫がだいぶ高齢になっていると見なすと、その“常夜灯のいろ”の寂しさが浮き立つのではないかと思う。 半世紀前の書き込み薄れたり 人生論ノート怒りの章よ半世紀前に三木清『人生論ノート』に書き込みをしたとなると、70歳以上の人物と思われる。それがこの作者なのかどうかはわからないが、むしろ父の書棚の本にこの書き込みを発見したという歌ではないかと思った。若き父はこんなにふうに怒っていたのかと思いを馳せている。もちろん書き込みをしたのが作者自身で、半世紀前を思い出している歌ともとれる。いずれにしても書き込みが薄れているという点に、過ぎ去った時間の長さを感じさせる。 今回の自作も自由題になるが、ちょっとショックを受けたことがあったので、これでいく。 健康に見ゆれど中身はボロボロの歯のレントゲンわが老い写せり私はまだオヤジ年代だが、歯医者でレントゲンをとったら、「ここも虫歯、こっちには細菌が感染・・・」みたいにいろいろ指摘されてしまって、まだ痛みはないけど中身はすでにボロボロなのね。(T_T) 途端に若さが消え去って自分が老けたような気分になった。レントゲン写真の画像を見て、老いはすでに私の内側から蝕んでいるのだと直観してしまったよ。(o_ _)o ドテッ 《『NHK短歌』のホームページ》 人気blogランキング ↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。 「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping |
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