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いよいよ今回は、〔綿棒〕でつくる「立体工作」の案内である。冒頭の画像では、「5つの正多面体」の軸線構成を紹介したが、画像下方の「3つの立体」が基本中の基本となる。 (下方の3つは、向かって右から「正4面体・正8面体・正20面体」の軸線構成であり、この3種とも「3角形」だけの面でできているところが特徴だ。そして上方の2つは、向かって右が「正12面体」、向かって左が「正6面体」の軸線構成である。) 今回の工作方法を知ることで、下方の「3つの立体」をつくることができたら「 すばらしい! 」ということで、タイトルは【 立体工作のご案内 】とした。 それではまず、用意する材料から説明しよう。 ☆[ 綿 棒 ]・・・市販の綿棒(紙軸がよい) 私の場合は、「細軸」の「赤ちゃん綿棒」(スリム綿棒)を使用している。 その理由は、綿棒どうしをクロスさせて構成する場合に誤差が出にくいことと、そのフォルム自体の「美しさ」にある。ただ、普通の太軸綿棒に比べて値段が高いのが難点だ。(※市販のものは、細軸綿棒の200本入りが1パックで300~500円が相場) そこで値段と質から、全国チェーンの子供用品専門店「 西 松 屋 」のベビー用品コーナーに置いてある細軸スリム綿棒がおすすめである。210本入り×2個パック(計420本)で《 399円 (税込) 》と、安心価格で入手できる。 ただし、写真の「3つの立体」だけをつくるのであれば、一般に普及しているの綿棒(太軸)で十分である。また、子供と作って遊ぶ場合も、細軸でない普通軸(太軸)の綿棒で間に合う。ただ、安価すぎるものは綿棒自体の構造に問題がある場合があるので気をつけたい。(※〔太軸綿棒〕は1パック200本入りで150円前後が目安) ☆[ 接着剤 ]・・・ミツワの「 ペーパーセメント(Sコート)」(福岡工業〔株〕) これは「仮止め」の接着剤である。一般的には馴染みがないと思われるが、例えばかつて印刷会社の版下制作で使用していた「貼って剥がせる接着剤」である。 20cc のチューブ入りで1本200円前後。慣れてくれば、このチューブ1本で、綿棒200本をまかなうことができる。(280mlの缶入りで千円位などもある) これは、画材店等で入手可能(無ければ注文できるはず)だが、一般の文房具店では扱っているところが少ない。都会では、東急ハンズやロフトなどで扱っている。どうしても入手困難な方は、ネット通販を利用されたし。 とりあえず、この2つの材料がそろえば、工作の準備は整ったことになる。その他に、2~3の材料が必要だが、それは次の工作方法のところで、順次説明していくことにしよう。 ・・・《 工作方法 》・・・ まず、机の上に台紙(A4の紙など)を置いて、接着剤が付いても汚れないように準備する。 そして「乾燥台」を用意する。この乾燥台とは、綿棒の両端に接着剤を染み込ませた後に、その両端の綿部を乾かすために軸の部分を置く台という意味で、台所で使うサランラップ等の空箱でよい。また、綿棒を乾かすことができるような寸法に紙を折って、それを乾燥台にしてもよい。 次に、右手(利き手)の親指と人差し指で、綿棒の「中央部」を挟んで持ち、その先端の綿部に接着剤を染み込ませる作業をするわけだが、その作業に都合がよいと思うところ(台紙の上)に、少量の接着剤を出してみよう。 その接着剤に綿棒の片方の先端を付けて、ゆっくり回転させながら接着剤を付着させていく(綿部の先端から「3分の2」位まで)。そして、その同じ綿棒の上下を持ち替えて、もう一方の先端にも同様に接着剤を付着させ、乾燥台に並べ置いていく。後は次の一本、そして次の一本と、必要な本数まで同じ作業を続けていくというわけだ。 その乾燥台に何本も綿棒を置いていく際に、それぞれ平行になるように置くことが基本ではあるが、綿棒どうしを合わせて置いても、少し離して置いていってもどちらでも良い。(※合わせて置いた場合は、綿部の付着部分を、一本一本やさしく丁寧に外してから工作することを心掛けたい。) その綿棒の先端部に付着させる接着剤の量は、ほどほどの適量があるのだが、付け過ぎても効果は同じで、付けなさ過ぎては接合に問題が出てくるということで、何度か経験してコツをつかむ他はないと言っておこう。 そして、接着剤を両端に付着させた綿棒を乾燥台に置いていき《 約5分 》が経過すると、それぞれの綿棒の先端をつないでいくという要領で、立体工作が楽しめるようになるわけである。 そこで、さらなる接着力を期待したい場合は、既に接着剤を染み込ませ乾かした綿棒の綿部に、もう一度同じ要領で両端の綿部に接着剤を染み込ませる方法がある。つまり接着剤を綿部に2回染み込ませるわけだが、これをやると接着力が強くなり、これを束ねて密閉保存すれば、経験則から約1ヵ月は接着力を維持できるはずだ。 この「仮止め」の接着剤を利用する理由は、綿棒の両端を繋いだ接合部の「付け外し」ができるということにある。工作の過程で、接合部の繋ぎ方を失敗した(間違えた)と思っても、・・・優しく丁寧に・・・という綿棒の取り扱いに留意すれば、簡単に綿部の付け外しができたり「やり直し」が可能なので、自ずとその表現に自由度が増すことになり、想像力や創造力の喚起につながるというわけである。 今回の工作テーマの「3つの立体」について、すでにその形状は説明したが、ここでその構成に必要な「綿棒」の本数を紹介しよう。 [ 正4面体=6本 ・ 正8面体=12本 ・ 正20面体=30本 ] (繰り返しになるが、この「3つの立体」だけをつくるのであれば、細軸の赤ちゃん綿棒ではなく、普通の太さの綿棒で事足りる。その理由は、この「3つの立体」は、綿棒どうしを交差させなくても、構成することができるからだ。) この画像に映る立体的な平面図形の類推から、この「3つの立体」を構成するのは難しいかもしれないが、他の類似サイトの検索を試みるなどして、「立体パズル」の感覚で取り組んでみてはいかがだろう。 この「3つの立体」こそ、〔立体〕の基本中の基本になると思われるので、これらを作ることができるようになってから、他の種類の立体にチャレンジするなど、後は自由気ままに想像の翼を広げて立体工作を楽しんでもらえたら・・・と、そのように思うのである。 ただし、この接着剤は、あくまでも「仮止め」の接着剤なので、作成した立体をそのまま放置していると、その接着度にもよるが約1週間で崩れてしまう。 そこで、作った形を残したい場合の対策として、「木工用ボンド(水性)」に少量の水を混ぜて筆で溶き、構成した綿棒の接合した各部分に塗布すると、なかなか壊れずに長持ちすることになる。 また、色を塗りたい場合は、接着剤を染み込ませる前に、ポスターカラーなどで綿棒全体に塗り、乾かしてから上記の工作に入る方法や、完成した作品に後からカラースプレー等で吹き付けて色付けする方法など、様々な手法が考えられる。 [ 注意事項 ] 言うまでも無いことだが、小さい子供と一緒に遊ぶ場合は、特に「接着剤」の取り扱いには十分注意していただきたい。小学校に入るまでの子供と遊ぶ場合は、事前に上記の「仕込み」を済ませてから、工作に入るのが望ましいと考える。 また接着剤は、揮発する際に毒性がある(セメダインほどではない)ので、長時間使用する場合は、空気の循環のよいところでの使用をおすすめする。(※ある程度の時間を経て完全に揮発した場合には、毒性は無くなるとのことだ。) [ 特記事項 ] 写真の上方の2つの立体は、現段階でその作り方を伝えるのは、直接の伝授以外は難しいということを、ここでお断りしておきたいと思う。ちなみに「正12面体」の全体構成に必要な綿棒の数は、「120本」(この内、外枠だけの数は30本)であり、「正6面体」の全体構成に必要な綿棒の数は「36本」(この内、外枠だけの数は12本)である。 特に「正12面体」の全体構成については、その設計図が無かったために、着想を抱いてから具体化できるまで、丸10年の熟成期間を必要としたという経緯がある。 ★関連記事・・・「正12面体」における新たな内部の相互関係について 時間の許す人は、童心にかえって、色々な形を作って遊んでみて欲しい。 実際に自分の手で、様々な形を作っていく過程で、もしかすると大切な「気づき」があるかも知れない。そして懸案の造形が完成したときの、何ともいえぬ《達成感》を味わっていただけたらと思う。 ご家族のお子さんや、近くに子供がいたら、上記の[ 注意事項 ]に留意して、みんなで一緒に作ってみてはいかがだろう。子供が本来持つ創造力(想像力)の素晴らしさに、大人は感動することになると思う。(子供は5歳位から) 立体の究極の形は「球」である。3次元立体の究極の形は「球体」なのだ。いろいろな立体に触れて、自分の手で造形を生み出していくうちに、おのずと私たちの生活環境である球状の「地球」は「ひとつ」だということに、そして私たち「人類」は「ひとつながりのいのち」だということに気づくようになるのではないか・・・。 そして、このかけがえのない地球に生かされて生きている自分を如実に自覚できるようになり、この「ひとつ」しかない地球を大切にしたいという想いが湧いてくる・・・。 そんな期待を胸に抱いて、「立体(たま)」の工作方法を公開した次第である。 (※以上、2005年08月02日の日記より転載&校正) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年07月13日 18時19分41秒
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