日々色々

春雨や　ゆるい下駄借す　奈良の宿
HARUSAMEYA YURUIGETAKASU NARANOYADO

It rains in spring.
Where hotel in nara, though such time, that hotel rent the GETA for you.
Straps of the GETA is loose.

与謝蕪村
YOSA BUSON

鼻緒のゆるい下駄を貸してくれる。しかし外は春雨。
しかしそのゆるい下駄でからんころんと音を鳴らしながら、春雨にしとど濡れつつのんびりと散歩をする。
そんな情景です。
興福寺や元興寺にすぐ隣接するあたりに「ならまち」がありますが、そのあたりではいまもそんな景色を見ることができるでしょうか？

私は大学の４年間奈良に住んでいました。
当時から寺社は好きであちこちでかけていたものの、当時はほかにもいろいろと遊ぶことに学ぶことに夢中で、奈良の素晴らしさに気づいていませんでした。
社会人となり奈良を離れてから、常に懐かしく思い出しているものです。
郷里を除いて、住んでみたいと思う場所はいくつもありますが、夢想ではなく本当に住むとしたらやはり奈良でしょう。

今度の夏休みはいままでの社会人生活の中で最も長い１１日間の休みを取ることができます。また経済的にもここ数年続いていた厳しい状況から脱しつつあります。
そこで大阪の友人のところへ遊びに行く予定を立て、その前日に１日だけですが、奈良に立ち寄ることにしました。
夏休みの時期にいまさら宿を取るのも大変ですが、１人のことですしなんとかなりました。
お目当ての興福寺や春日大社、東大寺、百毫寺、ならまちなどとは少し遠いところですが、尼辻駅近くに宿を取ることができました。
尼辻は唐招提寺の最寄というわけではありませんが、徒歩で行ける距離です。
今回は唐招提寺に行くつもりはありませんが、その次の駅が西大寺駅。
ここはこの近辺のターミナル駅であり、そして私が大学時代に住んでいたアパートの最寄駅なのです。
なにやら懐かしく、尼辻という住所を見て決めてしまいました。
のんびり一人旅ですから、あまりよくばらずに懐かしい景色を眺めてこようと思います。