仮面ライダーキバ第1話「運命・ウエイクアップ!」
冒頭から教会に現れた死体が甦り怪人(ちゃんと蜘蛛だ)と化し宙に浮く牙が血を啜る、そこへ現れるブラックフォーマルの女(麗奈の配下かと思った)とその台詞「神は過ちを犯した・・・お前のようなファンガイアをこの世に在らしめた過ち、私が正す」(やや危なっかしい台詞廻しだが)という畳みかけに痺れた。怪人が姿を消した扉が古びて1986年から2008年へ。まずはヒキコモリの主人公とそれを気遣う同級生静香のやりとりをコミカルに描いている(「(ゴハンを盗ろうとして)猫ちゃんにあやまりなさい」)シーンがあり、そのまま魚をキーワードにもうひとりのヒロインに繋ぐテンポの良い展開。さらには本作最大のオリジナリティ1986年と2008年このふたつの時間をカットバックする(皿はいいアイディアだと思う)展開もスピーディ。アクション描写も1回目ということもあるのだろうがかなり気合が入っている。ライダーキックがキメ技になっているのもシンプルでいい。同じキメ台詞をファンガイアに投げかける二人の女、謎の蝙蝠のメカ(なのか)キバットにより変身するライダー、巨大な空飛ぶ生きた龍の家(?)、そして銃を向けられる仮面ライダーと謎を残したまま第2話に引いて次回も楽しみだ。電王のような異常に高い人気を得た作品の後に続く新シリーズであり非常にやりにくい状況の中で始まった『仮面ライダーキバ』だがこの第1話を観る限り期待できそうな気がする。電王の成功と人気の要因であった声優を起用した面白さの面では芸達者なキョン、もとい杉田智和がキバットを演じて軽妙洒脱かつヒーロー味も感じさせておりこれには大いに期待したい。電王と違ってベルトのアイテムでありバエに近くスーツアクターとの協同作業で作り上げた面白さにどこまで迫れるのかそこが気になる。犬に弱い最強のヒロイン(過去のヒロインというべきか)という設定はハナにこじつければモモタロスの弱点を足した、という設定だが前回挫折した最強ヒロイン伝説の復讐戦といえるかもしれない。過去のヒロインの生真面目・重厚さにたいして現代のヒロインの軽みという対比も極めれば面白くなりそう。とりあえず高橋優の出ている『きょうから英会話』は早速チェックだ。あと1986年という舞台をどう描くつもりなのだろうか。ここは難しいかもしれないがその時代感覚が出せれば作品の厚みになると思うので。今回は『冬のオペラグラス』(新田恵利、86年1月に発売された曲)が喫茶店でかかっていたがそれ以上の描写はあるのだろうか。余談だが私は新田恵美の方が好きだ。ほんとに余談だ。二つの時代を描いて最後に何が明らかになるのか、この構成の面白さを最後まで貫いて1年後、この二つの時間で何が描かれたのかが上手く納得でき感動できるような作品になってほしい。脚本の井上敏樹サンには『超光戦士シャンゼリオン』的な軽さと『仮面ライダー555』的な怪奇ムードがひとつになった今までにない作品を期待してます・・・本気で。仮面ライダーキバ 変身ベルト BOX(バンダイ食玩)《予約商品03月発売》あとどうでもいいことかもしれないが未来との対比なんだろうけど金山一彦のカツラ頭は・・似合わない云々以前に誰だか分らなかった・・・。