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カテゴリ:食品
ユビキノンは、3月8日のリポ酸と同じように、その名前が日常生活によく登場してきますが、その意味が簡単でない、生化学で重要な物質です。(もっとも、われわれの体を構成している物質はどれも重要で、物質の間に貴賎はないと思っています)
ユビキノンの「ユビ」は、最近IT分野でよく使われる「ユビキタス」と同じ意味です。つまり、人を含む動物、そして植物や微生物に広く分布しています。珍しい物質ではありません。「キノン」はある特徴を有する物質を指す名称です。それを理解するためには、化学か生化学を専門的に学ばないといけません。 CoQ10(コエンザイムQテン)の「Co」は、coenzymeの略ですから、「補酵素」です。何らかの酵素を助けていると考えられたわけです。「Q」はquinoneの略ですから、「キノン」です。最後の「10」は、キノンの構造にある繰り返し構造があり、その繰り返し数が10の意です。高等動物の細胞にある「ミトコンドリア」ではこの数字が10ですが、ほかの生物には違う数字があります。 ユビキノンとCoQ10の2つの名前があるのは、最初2カ所で研究をしていて、のちに同じ物質であることが判ったためです。 われわれは、糖質、脂質、タンパク質などから活動に必要なエネルギーを得ていますが、そのエネルギーをATPという物質に担わせて輸送します。そのATPの合成に、ユビキノンは関わっています。たぶんユビキノンの効能の話は、たいていここから始まっていると思います。 ネットを調べていて、ユビキノンは「ユビデカレノン」という医薬品に含まれていることを知りました。心不全の薬です。「東海四県薬剤師会」が出している情報を読むと、忘れても2回分をまとめて飲むことを禁じています。リポ酸でも書いたことですが、過剰摂取は戒めるべきです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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