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カテゴリ:日本酒・酒類
米と米麹と水から醸された日本酒だから、「純米酒」の定義そのものである。しかしアルコールが9~10%と聞けば、普通15%以上ある日本酒から遠く離れた存在。アルコール度数だけを問題にすれば、ワインに近く、さらに低い。精米歩合は69%、250mlで500円ちょっと。
仙人だけでないだろうが、日本酒のアルコール度数が15%を割ると、「うすい」という感じを受ける。それは一つにアルコールの支えが不足するからと考えてきた。しかし、「蜃気楼」を味わって、仙人の最初の一言は「味がしっかりしている」。次いで「酸味がある」。確かに酸度は高い。 「味がしっかりしている」は、能書きが示唆するように、「嫌味」のないアミノ酸のバランスに負うところが大きいかもしれない。ただそれだけでなく、有機酸の力もあると思う。有機酸は、クエン酸を意図して増やしたという。 クエン酸を増やすには、食品添加物としてのクエン酸を加える方法もある。ただここでは酵母の能力に依ったようだ。リンゴ酸をたくさんつくる日本酒酵母のことは記憶にあるので、クエン酸も工夫次第だったのかな? 「発酵」に関わったものとして非常に興味があるのは、小さいボトルごとにアルコール発酵(醸造)を行ったという話。1本ごとの発酵は品質がばらつきやすいから、相当苦労しただろう。しかしこれにはメリットもある。発酵で生まれた二酸化炭素をボトルに閉じこめることができる。それが開栓とともに出てくる細かい泡の元になっている。 風味にもう一度戻ろう。「蜃気楼」の味と香りは、麹から造った甘酒のようでもある。しかし同時にワインを飲んでいるようでもある。それは香りとアルコール度数とクエン酸がもたらすものかもしれない。ただしワインでは酒石酸だが・・ 「蜃気楼」は少量生産らしい(手間が掛かりそうだから仕方ないかも)。ネットで調べたけれど、売り切れだったし、東広島西条の周辺のレストランでしか出していないようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年02月13日 17時48分50秒
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