サブマリン707復刻版
書店の新刊コーナーに「サブマリン707」のマンガ単行本3冊が箱に入った体裁で積まれているのを見ました。 小学館クリエイティブから8月末に刊行されたもので、「サブマリン707レジェンドBOX」。現在発売されたのはBOX1「潜航編」で、別冊として「サブマリン707教室」が一冊にまとめられて薄い本として付いている。 本体価格6,800円+税。A5判並製、3+1冊。総1,136ページ、箱入り。第1部「U結社編」から第2部「謎のムウ潜団編(前編)」までが収録されています。 BOX2「雷撃編」は同体裁で9月末に発売される予定だったのが延期されて、発売は未定だとか。小沢さとるさんの新作を載せる予定が、小沢さんの体調不良により延期されることになったそうです。年内の発売を予定しているとか。 私はラポート社の「完全復刻版サブマリン707」全6巻を持っているので、今回は買いません。欲しいけれど、この約7,000円という高額では二の足を踏んでしまいます。 BOX1とBOX2、あわせて全6巻をそろえるには1万4千円もかかってしまうのでは、これは買えないというより、買わないですね。 小沢さとるさんが「週刊少年サンデー」に1963~1965年にかけて連載した海洋冒険潜水艦マンガの傑作です。 第1部「U結社編」では速水艦長の親友だったウルフが怪潜を率いて暗躍する。日本の海上自衛隊サブマリン707号は、アメリカ海軍やカナダ海軍と協力して怪潜と戦います。 乗組員には中学生か高校生くらいの3人の少年がいて、水早賢二、日下五郎、海野千太。ブラジルへ向かう「さんとす丸」に乗っていて、ウルフの怪潜UC-140号に沈められたのを707号に救助される。その後ずっと707号に乗組むことになります。 第2部「謎のムウ潜団編」は第二次大戦中に日本機に攻撃されたアメリカの潜水艦コッドフィッシュが海底深くに沈下してしまい、ぐうぜんにムウ帝国を発見。レッド艦長はムウの科学力を利用して一大潜水艦隊を作り上げ、世界征服にのり出す。 707号はレッドのコッドフッシュに撃沈されてしまい、最新鋭の潜水艦として生まれ変わります。 このあと、第3部「ジェット海流」編と、第4部「アポロ・ノーム」編。 全4部で、もっとも面白いのは第2部の「謎のムウ潜団」編で、707号は717、727、737、747号と艦隊を編成し、さらにインド海軍の黒い潜水艦まで登場する。彼らとレッド大佐のコッドフィッシュ艦隊、新造艦ブラックジャック号との戦いが繰り広げられます。 ストーリーよりも、小沢先生は潜水艦を描くのが目的のような感じがする。小沢さんがデザインしたカッコ良い潜水艦が敵味方にわかれて戦う、極端に言えば、それだけの内容しかない作品ですが、熱い男たちが広大な海を舞台に、あの手この手をつくした潜水艦の戦いとして描かれ、昭和38年から40年の小中学生男子たちが胸躍らせた海洋マンガの傑作。 ラポート社の完全復刻版全6巻を持ってなければ、今回の小学館クリエイティブ「サブマリン707レジェンドBOX」は欲しくてたまらないところでしょう。 上の画像は私が中学1年の時に愛読した「別冊少年サンデー」(月刊)の「サブマリン707」特集号です。全3冊に、毎号120から150ページくらい掲載されていた。横山光輝さんの「伊賀の影丸」の特集号などは「若葉城の秘密」(3冊)「由比少雪」(4冊)から「半蔵暗殺帳」(3冊)あたりまでは全冊をボロボロになっても大切に持っていました。