イーライ・ウォラックさんの訃報
アメリカの映画俳優 イーライ・ウォラックさんが6月24日にお亡くなりになったそうですね。 イーライ・ウォラック Eli Wallach 1915年12月7日生まれ。 出身はニューヨーク市ブルックリン 記事には、映画「荒野の七人」などに出演した米俳優イーライ・ウォラックさんが24日、死去した。98歳だった。ウォラックさんはニューヨークでポーランド系ユダヤ人の家庭に生まれ、イタリア系住民が大半を占める地区で育った。 「荒野の七人」や「ゴッドファーザー PART III」などに出演し、90歳を迎えた後もロマン・ポランスキー監督の「ゴーストライター」やオリバー・ストーン監督の「ウォール・ストリート」などに出演。2010年には米アカデミー名誉賞を受賞した、と書かれています。(YAHOO!JAPANニュース)「荒野の七人」(1960)でメキシコの村を狙う山賊の首領カルヴェラを演じて印象に強く残ったようですが、私の場合はセルジオ・レオーネ監督の「続 夕陽のガンマン」(66)です。 以下は2012年4月24日に書いたものの再掲です。 セルジオ・レオーネ監督の「続 夕陽のガンマン」(1966)が日本で公開された1967年12月当時、「地獄の決斗」と副題が付いていたようです。 公開時の事は知らなくて、私が初めて見たのはいつだったのか?、記憶にありません。 「夕陽のガンマン」は3本立て映画館で見ましたが、この「続」は映画館では見ていなくて、テレビ洋画劇場だったとすれば、大幅にカットされたもの(半分近くカットされた?)だったと思われます。 以前に出ていたDVDは約160分くらいの版で、現在は本編178分の完全版が出ています。4月21日に発売されたブルーレイ(実売価格1490円)もその完全版です。 日本語吹替え音声は、DVDはモノラルでしたがブルーレイでは5.1Ch DTSとなっています 南北戦争の混乱のさなか、隠された20万ドルをめぐって、賞金稼ぎや賞金首の男や悪党たちが争う話。 セルジオ・レオーネ監督のマカロニ西部劇で、「荒野の用心棒」、「夕陽のガンマン」につづく3作目。タイトルに「続」がついていても「夕陽のガンマン」とは時代もちがうし、内容は連続性も関係性もありません。 南軍と北軍が川に架かったひとつの橋を取り合って血みどろの戦いを繰り広げている。 その広大な戦場をたくさんのエキストラをつかって、大スケールで描いています。 これはマカロニウエスタンですが、マカロニウエスタンの枠に収まりきらない内容になっている。映像もよく計算されたアングルと、絵画のような構図が用いられて、奥行きのあるすばらしいものです。 この次に作られた「ウエスタン」(69)も同様ですが、マカロニらしくないマカロニ西部劇。マカロニらしいとは、ジュリアーノ・ジェンマやフランコ・ネロ主演の、またはその他、無数にある有名無名の低予算の作品群にあって、このセルジオ・レオーネ監督の超大作はマカロニ西部劇とは、こうなっては言えないのかもしれません。 「夕陽のガンマン」の132分もマカロニウエスタンとしては長い方だけれど、この「続 夕陽のガンマン」は178分で約3時間。つぎの「ウエスタン」は165分。 レオーネ監督の長時間映画好きは、この頃から現れているようです。 約3時間の映画となると、おいそれとは見られないのですが、「ウエスタン」も「続 夕陽のガンマン」も私の大好きな作品です。なによりも、そのじっくりと腰を据えて、よく計算された、ていねいな映画作りがうかがえるのが、私の好みに合っているようです。 原題は「THE GOOD, THE BAD AND THE UGLY」。「善玉、そして悪玉と卑劣漢」。 善玉とはクリント・イーストウッド演じるブロンディ。悪玉はリー・ヴァン・クリーフのエンジェル。卑劣漢はイーライ・ウォラックのトゥーコ。 善玉といってもイーストウッドの役は、こいつがいちばん腹黒くて悪人なのではないか?と思わせるものです。 20万ドルをめぐる三つ巴の争い。クライマックスの決闘で、悪玉は真っ先にやられてしまい、トゥーコの首に縄をかけて不安定な墓標の十字架に立たせたブロンディがそのまま立ち去るのに向かってトゥーコが助けてくれと哀願する。 首に縄をかけられたトゥーコ、イーライ・ウォラックさんが、さすがの名演で、「ブロンディー」と絶叫する(日本語吹替えの「ごめんなさ~い」は最高!)のに、遠く離れたイーストウッドがライフルで縄を撃つ。 ひっくり返って倒れたトゥーコが、「てめえなんか、犬に食われちまえ!」と悪態をつく。 主演のクリント・イーストウッド、イーライ・ウォラック、リー・ヴァン・クリーフ。 3人ともアメリカ人です。セルジオ・レオーネ監督はイタリア映画を超えて、アメリカ映画を撮りたかったといわれる所以でしょうか? ・・・本日は手抜きで、ごめんなさい。