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お山の猫日記

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猫の絵

再（またた）び　にゃんとも猫だらけ　展朝日新聞でも紹介されてたこの展覧会。猫の出てくる浮世絵は、たくさんポストカードにもなってて、ついつい買ってしまう。いわゆる「可愛い猫」の絵柄より、心をくすぐる。第1部は日曜までじゃないの！う～ん、行ってみようか。が、合わせてやってる「福猫市」ってので、いらない買い物をしそうな嫌な予感…。

Jan 27, 2012

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フレデリック・バック展

『木を植えた男』のフレデリック・バック展へ。『木を植えた男』というアニメーションがアカデミー賞を受賞したことは、なぜか強く記憶に残っているのだが、その内容は微妙に曖昧な私。この作品を絵本で読んでとてもとても良かったという友人に誘われ、久しぶりに東京都近代美術館へ。調べてみると1999年に『荒木経惟　　センチメンタルな写真、人生。』を観に行って以来だ。さて、バックがなんと2歳の時に書いたという小さなピエロの絵に始まり、まるで目に入るもののすべての瞬間を描いているのでは、と思わせる膨大な数の作品。芸術というよりは観察に近いような。後のアニメーションにつながる一こま一こまのようにも感じる。1000点にも上る展示数だそうだが、なぜか不思議と負担に感じない。たぶん、それを受け取る側の立場に立って描かれた作品だからだろうか？アニメーションの創成期からの流れのわかる展示は、技術的な面の進歩を目の当たりに感じられ、すごく興味深かった。というか、私など初期の頃のアナログなアニメにかすかな記憶が(*_*;。懐かしい！『木を植えた男』では、普通の2倍という1秒間に8枚のセル画を使用したとのことで、そのすべて（いったい何枚になるんだ）をほとんど一人でなんと5年半も掛けて描いたというからすごい。アニメーション界の至宝といわれるのももっともだ。そして、多分一番最近の作品かな、と思われるのが、マリという老犬のスケッチ。ところで、今日現代美術館へ足を運んだのにはもうひとつ理由があって、それは、「フレデリック・バック展」開催記念　特別イベント朗読劇"木を植えた男"～　人形劇俳優平常（たいら・じょう）による人形劇、というと子供向けのイメージがあるけれど、この方、それだけにとどまらず、寺山修司や泉鏡花なども題材に舞台を創る人。http://tairajo.com/jo.htm人形とのパフォーマンスの後に『木を植えた男』の朗読劇。あっという間の60分。人形劇「俳優」と自らを表すのが、よくわかった。人形を遣う技術だけでなく、発声、演技、ダンスなどで訓練された彼自身の体のパフォーマンスにも圧倒された。無料のイベントなどではもったいない。是非、どこかで再演をしてほしいと思う。それにしても同じ物語でも、目から入ってくるのと、耳から入ってくるのでは、こうも違うのかと、朗読というものの魅力を改めて感じた。

Aug 12, 2011

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いわさきちひろ展～子どものしあわせを願って～

帰省をしたついでに新潟県立近代美術館で開催中の「いわさきちひろ展」を妹と鑑賞。どれもこれも目にしたことのある作品だが、何度見ても心が温まる。今回は、県内在住の人たちの、それぞれの絵についての印象や思い出などが綴られたちいさなプレートが添えられる、なかなか素敵な展示。専門家の人の「解説」より、よほどよほど心に響く。やるな、近代美術館。

Aug 7, 2011

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荒木経惟　「愛の劇場」

小さなギャラリーの壁に、きちんとフレームに収められたモノクロの写真。〈愛の劇場〉と書いてあるキャビネ判の箱が出てきた。開けてみると150枚ほどのプリントが入っていた。65年頃のプリントだ。その頃オリンパスペンFでガチャガチャ撮って、わざと熱現像とかイイカゲンにフィルム現像してイイカゲンにプリントしてた、その頃の私と女と時代と場所が写っている、表現しちゃってる。あの頃から〈愛の劇場〉とか言ってたんだねえ。まーそれにしても、イイねえ、イイ写真だねえ、デジタルじゃこうはいかねえだろ。 2010年12月荒木経惟読むだけで荒木さんのお顔が浮かんでくるようなコメント(笑)。65年ごろというと、亡くなった陽子さんと出会う前？45年も前の写真なのに、アラーキーは、この時すでにアラーキーだったのね、と思わせる。どっぷりと荒木さん。中に1枚、小さな女の子が写っている写真があった。この写真が撮られた頃、私もこんな年頃だったんだなあ…としみじみ。その時代の、なんとも物哀しい日本の表情。モノクロが、やけに現実的で生々しく感じられた。

Mar 25, 2011

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明日までだ…。

荒木経惟「愛の劇場」タカ・イシイギャラリーフォトグラフィー/フィルムオープニング展プリントアウトしておいた概要が、事務所の引き出しから出てきた。絶対行こうと思っていた荒木さんの写真展。なんと、明日まで。あぶなく見逃してしまうところだった。仕事の帰りに行こう。

Mar 25, 2011

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マン・レイ展

国立新美術館の『マン・レイ展』へ。最期の時まで、創作への意欲を泉のように溢れさせていた人なんだなあと、感じた。私はもっぱら有名人のポートレートなんかをわくわくしながら見る。おおっ、と思ったのが、チェスのグランドマスター、盤上の詩人と呼ばれたアレクサンドル・アリョーヒンのポートレート。少し前に読んだ小川洋子の『猫を抱いて象と泳ぐ』に名前が出てきてた。本当にいたんだなあ、この人。きりり、としたエヴァ・メイ。格好いいったらない…。でも、一番印象に残ったのは、共に過ごした妻ジュリエットのたくさんのポートレートから漂う濃密な愛情。ちょっと息苦しいほど。写真にちょっとでも関わる人だと、テクニックとか技法とかの、もっともっと違った角度で興味深く見てるんだろうな。とにかく、心の準備をはるかに超える、たくさんの作品が展示されていて、驚いた。同時開催の『オルセー美術館展』は90分待ちの入場者の列が建物の外へまで続いて、大変なことになっていたが、こちらはいいのか悪いのか、ゆったりと楽しめた。

Aug 12, 2010

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伊藤若冲　アナザーワールド

去年見た若冲の『動植綵絵』。緻密な着色に、ただため息…。今千葉市美術館でやっているのは若冲の水墨画を中心とした展示。http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2010/0522/0522.htmlこの晴れを逃したら最後、と思い切って出かけてきた。いや、なんというかユニーク！雷様が雲から落っこちてたり、おじいさんがちんまり座ってお茶を挽いてたり…、髑髏が三つ描かれた掛け軸も…。ユーモアたっぷり。今まで水墨画って静かでぼんやりとしたイメージだったけれど、考えを改める。勢いのある線、銅版画のような繊細な線、大胆な構図。なんだか新しいものを見てきた感じがした。楽しみにしていた『象と鯨図屏風』。こういうのが寛政の時代にお部屋に飾られていたって、なんだか想像できないけれど、自由だなあ。京都に来た象を実際に見て描いたらしい。象の絵は他にもいくつかあって、どれも不思議なムード。若冲って、すごく斬新な発想の持ち主だったのね。モダンでシュール。もちろん、『動植綵絵』を思わせる、気品あふれる作品も。『月夜白梅図』は、梅の花が牡蠣の殻をすりつぶした粉の入った絵の具で丁寧に描かれているそうで、不思議な立体感が幻想的。すごくたっぷりな展示で、お腹いっぱい。続けて美術館所蔵の浮世絵展、『江戸みやげ』も見られるようになっていたが、もう余力残ってなかったくらい。これはこれで、別に見たかった(-"-)。

Jun 17, 2010

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エミール・ガレ

エミール・ガレの生きた時代近代生活のエレガンスとろりとした雰囲気のアールヌーボーのガラスが大好き。というわけで目黒区美術館へ。ガラス作品だけでなく、なんと家具も展示されていた。家具なんて作ってたんだ。中でも楽譜棚。表面には寄木細工みたいな感じで植物や動物があしらわれ、それが何とも細密でおどろく。→そんな器用なことするのは日本人だけと思ってた(笑)。棚の仕切りや側面には音符やト音記号が！洒落てる。プリムラ文花器っていうのだったか…、とってもきれいなピンク色の入ったガラスがあった。あたたかにくすんだ色の作品のなかで、そのピンクがなんだかとても目をひいた。

May 13, 2010

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山本容子のワンダーランド

不思議の国の少女たち山本容子のワンダーランド地元で開催とは嬉しいじゃないの、の山本容子展。初期の作品から最新作まで。障子のひとつの枠に収められた数センチ四方の版画もひとつと数えるにしても、200を超える数の作品には、とにかく圧倒された。ちょっと、見きれないくらい(*_*;。ポストカードや本の挿絵のようなもので親しんできた山本容子の作品だけど、間近で見る、手触りの感じられる線の繊細さと、色彩の温かいおおらかさに溢れた作品たち。そのくせどこか妖しげな毒も。どの作品にも、物語があり音楽が聴こえてくる。最終日に、もう一度見に行こうかな。コレクション展も開催されていて、橋本雅邦、大観なども楽しめた。

May 12, 2010

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ヒルズで名画のフルコース

姪とボストン美術館展。早めに入場したつもりだったが、やっぱりものすごい人、人、人。まさしく「名画のフルコース」をモリモリと食べ進む(笑)。そろそろお腹いっぱいという頃合いに、モネの風景画を並べた小さなコーナーがあったのだが、そこがなんとなく他のコーナーと異空間。ホッとして、なんとも言えない色彩の重なりを味わう。姪はモネの「アルジャントゥイユの自宅の庭のカミーユ・モネと子供」という絵が気に入ったようで、ポストカードやなにやら買っていた。自分では最近すっかり西洋絵画（特に○○美術館展なんてのはメチャ混みそうだし）を見に行く機会がなくなっていたのだが、姪のリクエストで、多分行かないだろうと思っていた展覧会にも思いがけず足を運ぶようになった、今日このごろ。それも、また楽し。

May 9, 2010

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お江戸の絵画は大賑わい

板橋区立美術館でやっている『お江戸の絵画は大賑わい』へ。赤塚城址公園・赤塚溜池公園に隣接した板橋区立美術館。開館前に着いたので、ちょっとその辺をぶらぶら。　溜池ではおじいさんたちが、釣りをしている。公園の横の階段を上ったら、青々とした広場！　ここが赤城城址。お休みの日はきっとにぎやかに違いない。すごく広くて気持ちよさそうな公園。もちろん、猫、猫、猫も。カメラを向けても堂々と落ち着いた猫さんたち。さて、板橋区立美術館。狩野派と中心とする美術館所蔵の江戸時代の絵画の展示。展示室に加え、畳敷きの一角もあり、屏風がいくつも並んでいて、座布団に座って見られるようになっていた。何が楽しかったって、それぞれの作品の横に添えられた解説が、すごくユニーク。展示室に入って最初の、狩野秀頼《酔李白図》の解説のタイトルは「飲みすぎですよ、李白先生」。ちょっとあり得ないノリ(笑)。でも、その瞬間に作品と作者になんともいえない親しみがわき、一枚一枚、自分でも思いがけず積極的にじっくり見てしまった。畳敷きのコーナーでは、展示室のガラス越しでなく、作品にぐっと近付いて見られる。一番の目当てだった河辺暁斎の《龍虎図屏風》を、まさか直に見られるなんて～。畳に座るとやっぱりくつろいでしまって(笑)、つい長居をしてしまいましたとさ。小さな美術館だけれど、展示に関するアイディアがとってもユニーク。また、何かあったらきっと来ようっと。これも、実にユニーク。入口横にはためいてました。

May 7, 2010

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長谷川りん二郎展

この機会を逃したら、もう二度と見られないかも。というわけで、行ってきた。平明･静謐･孤高－長谷川りん二郎展もちろん見たかったのは「猫」。この絵には、しつこいようだがエピソードがあり、http://plaza.rakuten.co.jp/oyamanoneko/diary/201004050000/ ついに、絵の前に立った時には、本当に嬉しくて嬉しくて。絵に触ったら、タローの体温が感じられそうだ。タローのバックのグレーも、敷物の赤も、しっくりと感じられ、なんともいえない。もうひとつの「猫と毛糸」とこの「猫」と、怪しまれるほど何度も行ったり来たり。「出口」を出るのが、これほどためらわれた展覧会は今までに経験がない。なんでだろう。猫にしろ、静物画にしろ、りん次郎とその対象との間に流れる温かな空気のようなものが感じられ、なんだかすごく幸せな気持ちになるのだ。もしも、ひとつ持って帰っていいよ、と言われたら、ガラスの花瓶に入ったバラの絵がいいかな。

May 1, 2010

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三菱一号館美術館

4月にオープンした三菱一号館美術館に行ってきた。開館記念展　マネとモダン・パリ去年復元されたという建物はレトロだけどモダン。黒を印象的に使った、肖像画の数々。モデルの堂々とした表情を見ていると、この人、自分の道を迷いなく生きているんだろうなあ、と思う。小さな展示室を次々に移動していると、まるで絵の迷路を歩いているよう。その中に、ちゃんと猫のスケッチも数点あった。素朴な、小さな猫だった。

Apr 25, 2010

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いのくまさん

昨日オペラシティに行ったついでにオペラシティのギャラリーでやってた、「猪熊弦一郎展　いのくまさん」をのぞいてきた。だって、http://www.operacity.jp/ag/exh117/このチラシを見たら、無視できませんもの。「いのくまさん」という、猪熊弦一郎の作品に詩人の谷川俊太郎の言葉を添えた絵本があるそうで、それにのっとった作品展。展示室にも谷川俊太郎の言葉が、おおきなビニールに記されて下がっていた。まるで、ピカソかミロか…、のような自由で無邪気な作品。とっても、楽しかった。恥ずかしながら、猪熊弦一郎という画家、今日まで名前も知らなかった。でも、上野駅中央口の壁画、帝国劇場のロビーのステンドグラスやオブジェ、半蔵門線三越前駅のホームの壁画（…行ったことあるのに気付いてない(-"-)）が猪熊弦一郎の作品と聞けば、俄然興味も湧いてくる。おまけにあの三越の包装紙も猪熊弦一郎のデザインで、あのあかいいびつな丸は、なんと銚子の海岸の石からイメージしたんだって。ちゃんと「華ひらく」という、立派な名前のある作品。知らなかった！すっかりファンになりました。

Apr 16, 2010

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ぐるっとパスで

午後の神奈フィルまで時間があったので、目黒界隈にちょいと寄り道。この間買った「ぐるっとパス」を使うのだ(笑)。まず行ったのが、松岡美術館。入ると正面のガラスケースに、なんとあの猫ちゃんが！ジャコメッティの「猫の給仕頭」。君のおうちはここだったのね。→もう、これですべて見終わったかのような満足感の私。エミリオ・グレコとヘンリー・ムーアの大きな彫刻がゆったりと展示されていた現代彫刻のコーナーが良かった。見ていて心底おおらかな気持ちになる。本来野外美術館の構想があって求めたとあって、彫刻の大きさがなかなかのインパクト。気に入った。小さな中庭。出られます。こういうちょっと隅っこに置かれていたものが、とっても素敵。さて、この美術館はカメラ撮影ＯＫ（もちろんフラッシュと撮影音の消せない携帯は使えないが）。記念にポストカード買わなくて済みます(笑)。ついでに、ちょうど恒例の建物公開展をやっている東京都庭園美術館にも。ここは好きな美術館のひとつで何度も来ているのだが、建物公開に来たのは2回目かな。昭和の初めの皇族の、優雅な暮らしぶりを想像してうっとり。アールデコにちょっと和風が加わった感じの落ち着き。あ～、こんな部屋に住んでみたい。最近は建物公開時の写真撮影が許可されているみたいで、館内はカメラを持つ人であふれていた。なんだか、ぼーっと観てるだけじゃいけないような気持ちになり、つられて…、　　　　私も撮りました。ロマンティックな照明。素敵でしょ。まあ、とにかく壁紙はもちろん、ドアの取っ手から通風口のカバーの装飾、すべてがお部屋ごとに違っていて、建物全体が今や芸術品。ラリックのガラスをはじめとする素晴らしい所蔵品も展示されているのだけど、この時ばかりは「人が現実に暮らしていた空間」の力が、それらの貴重さを圧倒してしまうように思える。今回ははじめて3階のウインターガーデンという、サンルームみたいなお部屋に入った。来るたびに、新たな発見があって嬉しい。　

Apr 10, 2010

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猫

今日、本屋でいきなり出会ってしまった長谷川りんニ郎の画集。ずっと昔テレビでこの絵について取り上げられていたのを見て以来、いつか観たい、いつか観たいと思っていた絵。でもこの絵があるのは宮城県美術館。http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/museum/f_050226.htm 宮城県まではさすがにちょっと観には行けなさそうだなあ、と心の底では諦めていたので、行ったつもりで買ってしまった！。そしたらなんと、画集の帯に回顧展が全国で開催されると書いてあるじゃないの！関東は、平塚市美術館で4月17日から。しかもすぐだ…。ど、どうしよう。平塚だったら思い切って行ってみようかな...。この猫の名前はタローというのだが、画集には「タローの思い出」という随筆も収められている。これがまた、いい…。

Apr 5, 2010

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没後400年　特別展　長谷川等伯

友人に分けてもらったペアチケットの1枚を握りしめ、閉幕直前、滑り込みセーフで、長谷川等伯展へ。早めに家を出たものの、やっぱり開場を待つ長い列に並ぶ・・・。屏風絵やふすま絵は長い年月で金箔が剥げていたりして、安土桃山時代の絢爛豪華な感じはもはやうかがうことはできないが、むしろ静かな気持ちで観ることができた。弟子でもあった息子をたったの26歳で亡くした等伯の、悲しみのこもった巨大な涅槃図。その絵を訪れ祈りを捧げる人が後を絶たなかったそうだ。たしかに精一杯見上げるほどの大きさで、包み込まれ慰められているような気持ちになる。最後に展示されていたのは「檜原図屏風」。そのひとつ前には「月夜松林図屏風」という、多分弟子が書いたのだろう、そっくりの構図の作品が展示されていた。別々に観たら、きっと私など違いがわからないんだろうな(*_*;。でも、続けてみると全く色や線が違う。思わず、ほ～っとため息。この等伯展、イヤホンガイドはあの松平定知アナ。長年馴染んだ声すぎて、なんだかＮＨＫスペシャル「長谷川等伯」って番組を観ている気分に(笑)。狩野派独占だった時代、初めて秀吉から長谷川等伯に大仕事が任された時の解説では、「その時歴史が動いた！」。私、思わず笑ってしまったんですけど・・・。でも、さすがの語りで、私には展示されていた貴重な作品の数々よりも、心に残ったほどだった。しみじみ聴き惚れて、まさに耳の御馳走。

Mar 20, 2010

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皇室の名宝　その2

皇室の名宝　第2期　正倉院宝物と書・絵巻の名品気合一発で行ったが、やはり大変な混雑。第1期の動植綵絵や花鳥十二ヶ月図のような、そのスペースに足を踏み入れた途端に圧倒されるようなタイプのものはないけれど、イヤホンガイドを聞けば、そのひとつひとつがべらぼうに貴重な美術品であり、歴史的な資料であることがわかる。手紙の文例集だとか、天皇が何十年にもわたって書いた日記とか、もちろん更科日記もそうだけれど、さらさらと書かれた文字が読めたなら、一層楽しくて興奮するに違いない（涙）。ひときわ目を引いた源氏物語図貝桶・合貝、いったいどんな人たちがどんなふうに遊んだのやら…、ため息がでる絢爛豪華さ。第1期に比べたら集中力が続かなかったので（笑）、目当ての源氏物語図屏風と扇面散屏風だけは心残りがないようじっくりと観た。はい、色がきれいなものとか、きらきらしたものが基本的には好きなもので…。でも、さすがに1期・2期と観るのは疲れましたとさ。

Nov 25, 2009

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皇室の名宝　日本美の華

『皇室の名宝　―日本美の華』張り切ってセット券を買っていたのに、あぶなく1期を見逃すところだった。富と権力が合体する「凄さ」を恐ろしいほどに感じた。天皇、あるいは皇室という存在が、どれだけ人々にとって大きなものだったか。それぞれの作品に注がれた、芸術家たちの技術と情熱が、重すぎるほどに伝わってくる。そしてそれらが、最高の状態で保存されていることにも、目を見張る。べらぼうに沢山の作品が展示されているわけではないのだが、ひとつひとつの作品が、思わず立ち止まってしまうほど、ものすごい完成度なのだ。さすがに疲れ、最後のほうは流してしまったけれど、会場から出たら3時間近く経っていて、自分でも驚いた。伊東若冲の『動植綵絵』がポストカードに、酒井抱一の『花鳥十二ヶ月図』がカレンダーになって、ミュージアムショップで売っていた。2期に行ったら、買っちゃうかも…。蒔絵と螺鈿の絢爛豪華な棚や、鮮やかな七宝焼、上村松園の『雪月花』…。どれもこれも、とにかく素晴らしいったらない。お宝とは、まさにこのこと！

Oct 23, 2009

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アロイーズ展と清志郎の世界

夏休みの最後、来年大学受験を控えている姪がやってきた。オープンキャンパスなるものへの参加と学校見学が目的だが、それはそれとして、息抜きも(笑)。まずはワタリウム美術館の『アロイーズ展』へ。スケッチブックに書いた作品は、アクリル板で挟まれ両面が見られるように展示されている。色鉛筆やクレヨン、お菓子の包み紙などでのコラージュなど、独特の鮮やかさ。大きな絵が書きたいとなれば、糸で紙をざくざくと縫い合わせて…。でも、本当に自分の心の赴くまま誰かに見せるためでもなく描いたものが、本人の全く感知しない世界で芸術としてこんなふうに注目されているのはなんとなくやりきれない、そんな気もした。実際、アロイーズの晩年に作品に署名を入れろとか作品番号を入れろとか言った人があったらしいが、そのとたんに描く意欲を失くしたとか。かなり心に強烈に響いてくる、作品展。もう一度見たいかも。強烈といえば、ワタリウムから原宿の裏道をとことこと歩いて（古着屋やらなにやら寄り道しつつ）次に向かった、ラフォーレ原宿での『個展　忌野清志郎の世界』。強烈な色彩で、シャイな内面を塗り固めているんだろうな、と思いつつ鑑賞。まさか、こんな才能を持った人だったなんて！私自身は清志郎さんを聴いて青春時代を過ごしたクチではないので、深く思いを寄せる訳ではないけれど、絵からも歌同様にものすごい濃いエネルギーが伝わってきた。

Aug 29, 2009

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ラウル・デュフィ展

ラウル・デュフィ展を見に、足利へ。　http://www.watv.ne.jp/~ashi-bi/ちょっぴり足を伸ばして出かける美術館は、人ごみに煩わされずのんびり楽しめるので好きだ。ラウル・デュフィは20代のころから好きな画家。「私の目は醜いものを消し去るようにできている」と言うとおりの明るくて開放感いっぱいの作品を、挿絵や絵葉書で親しんできた。展示されていたのは75点ほど。私にはちょうどいい。競馬場やレガッタと並んでデュフィの代表的なモチーフは音楽。オーケストラや室内楽を描いた明るい色彩の作品は、音楽が聞こえてきそうだ。チェリストのパブロ･カザルスは「デュフィの作品を見ていると、その曲名まではわからないが、何調で演奏されているかがひと目でわかる」と言ったそうだ。 20代にパリ市近代美術館で見た「電気の精」という絵の小さいのが展示されていた。本物は高さ１０メートル長さ６０ートルの、展示室の壁いっぱいの絵だ。懐かしい。ルーブルの膨大な作品で疲れ果てたところに、本当に新鮮だったのを覚えている。はるばる出かけてきたついでに近くの日本最古の学校と言われてる足利学校にも寄る。名物の古印最中っていうのも買おうかとおもったが、JR足利駅界隈は見事に寂れていてなーんにもなく、諦めた。残念。

Jul 29, 2009

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狩野芳崖の「悲母観音」

石田さんのリサイタルに一緒に行く友人から、朝起きたらメールが届いていた。「狩野芳崖の『悲母観音』という絵をご存知ですか？私の大好きな絵のひとつですが、明日から藝大美術館で展示されます。石田さまの前にちょっとのぞいてみたらいかがでしょうか？それはそれは神秘的、なぜかじ～んときますよ。」ということで、雨も幸い小降りだし、せっかくのおススメ、行ってみましょう。 http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2008/hogai/hogai_ja.htm とろりとした中間色に品良くゴールドをのせた、おだやかな絵。これが芳崖の最後の作品だそうだ。他にも、なんと１０代の頃の作品も展示されていた。これがまた信じられないくらい上手い。長府藩の御用絵師の息子として、超英才教育受けてたんじゃないかしら。輸入色料を使って書いたという「仁王捉鬼図」は、びっくりするくらいとてもカラフル。「大鷲」という絵は劇画風のイラストのようで、超ワイルド。そして、こちらまでにっこりしてしまうような、いいお顔の「松下仙人」。思いがけず、ゆったりといい時間を過ごせました。教えてくださって、どうもありがとう。

Aug 26, 2008

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丸木スマ展　―樹・花・生きものを謳う―

７０歳から絵を始め、８１歳で亡くなるまで400点あまりの絵を書いた、スーパーおばあちゃんの展覧会。http://www.momas.jp/3.htm この展覧会は、絶対行こうと思っていた。図書館においてあったチラシの絵を見た時、その色彩の豊かさやのびやかさに、ひと目で惹きつけられてしまったのだ。前の日、一緒に国立博物館の「対決展」を見たジロ吉さんも、ちょうど朝の日曜美術館で紹介されていたのをみたそうで、「行きたいのよ」という。それなら、地元のわたくしがご案内しましょうということで、連日の美術館めぐりとなった。嬉しいことに、朝になって飛び入り参加の連絡が。やっぱりよく演奏会なんかをご一緒する、ジロ吉さんのお友達のＨさんと、そのお母さん。そのお母さんはなんと96歳！しゃんと背中を伸ばし、杖も使わず、片道２時間を難なくやっていらした。都心の美術館と違い、人も少なく、ゆったりのんびり気持ちよく鑑賞。観覧料といい、これぐらいが、理想だなあ。丸木スマが絵を描き始めた70歳。その年齢の心持ち自体が、今の自分にはまだ想像するのは難しい。でも、そこからあれだけエネルギー溢れる世界を表現できるって…。身近な花や野菜、犬や猫、さかなや猿が、まるで子供が無邪気に書いたようでもあり、モダンなアートのようでもある。今日もずいぶんゆっくり時間をかけて観て回ったけれど、この展覧会はもう一度会期中に足を運びたいような気がしている。

Jul 21, 2008

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『対決　巨匠たちの日本美術』

国立博物館の『対決　巨匠たちの日本美術』へ。http://www.asahi.com/kokka/ ポスターでみた芦雪と応挙の「トラ」を観るのだ。今日は、国立博物館の年間パスポートみたいなのを持ち、自分の庭のようにこの博物館に親しんでいる友人と一緒。友人の案内で、「対決展」へ行く前に、まず、今特別に展示されている、空海の「風信帖」へ。空海が最澄に宛てた貴重な手紙だそうで、8月3日までの限定展示。友人は書道の先生であるため、これは見逃せない。書をやる人は、この「風信帖」を、空海が間違えた箇所までそのままお手本になぞって学ぶそうだ。へぇ～。先生である最澄を、これでもかと崇め奉った文章（もちろん私は読めないので解説してもらう）らしい。先生付きで、国宝を鑑賞できるって、すごい贅沢。感謝。その後平成館へ移動し、いよいよ「対決　巨匠たちの日本美術」。空海の解説付きに気を良くし、イヤホンガイドを借りて、いざ出発。進むにつれて、ライバルであったり師弟であったり、関係はそれぞれだけれど、生い立ちや性格、そして作風の違う二人の作品を、比較という観点から並べるって、素人の私にも、想像以上にとっつきやすくてかなり積極的に観ている自分にびっくり。目的の芦雪と応挙のトラも、存分に観た。結構歩いて足が痛くなるほど。夜は、アイスノンをあんかにして寝た。

Jul 20, 2008

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薔薇空間

http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/08_rose/index.htmlお芝居の前に、素敵なバラの絵を観て、優雅な気分に浸る。会場は、夕方でちょうどすいていた。こんなのんびり美術館の中を歩くのは久しぶり。「図録」のために書かれたという、観賞用のゴージャスな絵画などとはちょっぴり違う、シンプルな色や構図にひかれ、是非観たいなあと思っていた展覧会。こんなにゆっくり楽しめて幸せだった。会場のところどころでバラの花の香りのアロマがたかれ、そこにいるだけでいい気分。作品は、ガリカ系とかアルバ系とか、バラの種類別に並べられていて、メモを取りながら観る人も。好きな人や育てている人には、なお一層興味深いことだろう。地下のカフェの前には、バラが沢山おかれていて、ちいさなバラ園もできていた。

May 19, 2008

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「桜さくらサク2008」

一足早く千鳥ケ淵を歩いた。まだ３分足らず咲きだけど、お堀端はほんのりピンク。桜のピンクって、どうしてこんなに心に馴染むんだろう。満開になっての人出を避けて行きたかったのが、山種美術館。毎年この時期、所蔵品から「桜」をテーマにしている作品を展示しているそう。満開に足らない分は、絵で、ということで(笑)。あでやかな満開の桜、しっとりとした夜桜、太い幹からひょろりと伸びた細い枝に咲いているわずか数輪の桜…。山全体が桜のピンクに染まった風景、源氏物語絵巻を絢爛豪華なもの。古いものから現役の絵描きさんのものまで、いろんな桜。いいお花見散歩だった。

Mar 25, 2008

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西行の仮名

チラシやポスターがとてもきれいに思えて、なんとなく気になっていた「西行の仮名」展。実際行ってみると、はっきり言って「お呼びじゃない」ところへ行ってしまったようで…。もちろん、見てもさっぱり読めない。横に楷書の訳があっても、内容さえもわからない^_^;…。ありがたそうに鑑賞する人々の中で、ひとり身の縮む思い…。でも、西行の一生を絵と文で表した、全四巻の「西行物語絵巻」は面白かった。第三巻だけがなぜか尾形光琳が書いていて、俵屋宗達画・鳥丸光広詞が他の三巻。私にさえも、見事に画風の違いがわかる。どちらもそれぞれに素敵。絵と文章のバランスがほぼ同じで、大判の紙面やゆったりとした行間が、人生の時間の流れを感じさせてくれるようだった。

Mar 16, 2008

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横山大観の「夜桜」

国立新美術館の横山大観展、「夜桜」の展示が11日までということなので、慌てて出かける。ポール・ボキューズのランチには何度か行ったけど、美術館ははじめて。記念切手好きの私（コレクターではなくて使うのが）、「夜桜」の切手は大の気に入り。お恥ずかしいことに、「夜桜」が２枚一組の屏風絵であると、今日見て初めて知った。まるでスポットライトを当てたように、輝く夜桜。お対のように「紅葉」という屏風絵も並べて展示されていて、もうため息。出かけてきて、本当に良かった。他にも、びっくりするような作品が沢山。「生々流転」という絵は、巻物になっていて、なんと４０メートル以上あるという。端から端まで、人が張り付いてゆっくりゆっくりと進む。終わりまで何分かかって観たんだろう(笑)。おそらく影響を受けただろうという、尾形光琳の「槙楓図屏風」と並べて展示されていた「秋色」。尾形光琳が、きっちり真面目な感じなのに対して、「秋色」は、色も構図もなんとなくのびやかでのどか。時代も違うけど、きっと性格も違うんだろうなあ。一番気に入ったのは、ボストン美術館からやってきた「金魚図」。金魚の透明感が、もうなんとも、言葉では表せない。思わず目をこらしてみてしまう。何度も何度も。日本画って、鮮やかな色の中にもどこか心の休まる穏やかさがある。水墨画の雨に煙ったような色合いも、本当に落ち着く。長生きして（90歳）、最後まで仕事をして、なんと幸せな人だろう。

Feb 7, 2008

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江戸東京博物館「文豪・夏目漱石-そのこころとまなざし-」

「坊ちゃん」も「我輩は猫である」も読んでないが、夏目漱石は好き。「こころ」とか「それから」とか「門」とか、なんか中途半端な人生を送ってる人が出てくる話が好きで、繰り返し読んでいる。展示には、学生時代の答案とか、書き込みだらけの教科書とか、ロンドンでの旅日記とか、たくさんの資料があった。親しかった正岡子規や寺田寅彦なんかに送った絵手紙なんかもあって、それがなかなか上手。ずいぶんセンスのいい人だったのだな。http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/kikaku/page/2007/0926/200709.htmlそして、音楽と漱石にちなんだコンサート新日フィルのメンバーによる「文明開化のクラシック」というのを聴く。漱石と音楽のかかわりについての、興味深い話を多々交えての演奏会。着物や袴姿での演奏、なかなか素敵。プログラムには、漱石の作品から音楽に関する場面が抜粋されていて、また改めてそれらの作品を読んでみたいと思った。漱石は、両親との間には複雑な事情があったけれど、その分、友達を大切にし、また自分の子供たちには惜しみなく愛情を注ぎ、よい人生を作りあげた人のように思う。漱石の人間らしさがとても感じられる展示会。もう一度ゆっくり観てみたいような気がする。

Oct 6, 2007

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猫を見に行く

昼ごはんのついでに、「遠山記念館」というところまで行ってみた。日興証券の創始者である遠山元一氏の邸宅だったところ。古い古い、素晴らしく広い昔のお屋敷と庭園が公開されている。http://www.e-kinenkan.com/home.htm併設の美術館で「アートの中の動物たち」という展覧会をみる。見たかったのは、猫。背中に蓋があって、そこから炭を入れて使う「手焙」という道具。こんもりと盛り上がった背中といい、機嫌の良さげな表情といい、同じ手を温めるにも、なで甲斐があり、癒されそうだ。　庭で会ったきれいなトカゲ

Sep 15, 2007

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美術館の楽しみ方

初めてＮＨＫの「ためしてガッテン」という番組を見た。美術館がテーマだったので。「人の集中できる時間はせいぜい３０分なので、見たいものを見る」なるほど、大体いちいち全部ご丁寧に見るなんて、とても無理だ。藤田嗣治を観にいった時、展示されている数もすごかったが会場は人だらけ。結局早足で「猫」の絵だけを観た。春のレオナルド・ダビンチも「受胎告知」の他は、あまりに展示の数が多すぎ、歩く気もせず早々に退散。「買うつもりで見る」これはいいかも。欲しいもの、部屋に飾るとしたら、と思えば、おのずと好きなものに向かう。先日の宇都宮美術館。実際、現在商品として売られている家具や食器も展示されていたので、興味深く見た。でも、最近の美術館、ミュージアムショップが素敵だったり、洒落たレストランやカフェを併設していたり、小難しい講演とかだけでなくコンサートなどの催しを企画したり、なかなか楽しい。ただ、もうちょっと人が少なくてのんびりできれば嬉しいのだけれど。

Sep 12, 2007

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舞台芸術の世界　ディアギレフのロシアバレエと舞台デザイン（東京都庭園美術館）

久しぶりに、旧朝香宮邸こと庭園美術館へ。十年ちかくぶりかも。おしゃれなカフェやミュージアムショップができていた。ひとまずカフェでごはん。ジャジャ麺と蒸し寿司のセットにした。とーっても上品な量で、卵地蒸し（具なしの茶碗蒸し）は小さな器に２センチくらいしか入ってなくて、え～って感じ。蒸し寿司はふんわりすっぱくて、ジャジャ麺の麺はカッペリーニでそれぞれおいしかったけど…。ディアギレフのバレエ、たとえば「ペトルーシュカ」とか「春の祭典」とか「牧神の午後」とかあたりって、いまひとつバレエとして理解できなくて、まず観には行かない^_^;。でも、舞台美術や衣装は色もデザインも確かに斬新できれいだなあと思う。20世紀はじめ頃の実際の衣装やデザイン画、舞台のデザイン画、ポスターやプログラムなどの展示。そして今日の目的は、ホールで行われるコンサート。佐野沙希さんという、芸大卒で現在は名古屋を中心に活動しているというピアニスト。聴きたかったのは、プロコフィエフ本人が、ピアノ曲に編曲したという『「ロメオとジュリエット」から10の小品Ｏｐ．75より』。演奏されたのは「情景」「少女ジュリエット」「モンタギュー家とキャピレット家」「別れの前のロメオとジュリエット」の4曲。特別なテクニックを盛り込んだ編曲がされているわけではなかったけど、聴けて嬉しかった。前半はショパンとプロコフィエフ、後半はリストの「魔王」と「メフィストワルツ第一番」。「私の一番好きな作曲家」というだけあって、前半とは別人のような演奏だった。差がありすぎて少々びっくり…。佐野さん、最初からきちんとメモを見ながら曲の説明をした。まるで丸写ししたような棒読みでないこともなかったが(笑)、とっても好感を持った。人前で話すのに自分があがると思うのなら、ちゃんとメモを準備して見ながらでも話すって悪いことじゃないと思う。お人形さんのようなかわいらしい外見の人だったけど、若い人はまず、まっすぐ真面目が大事。

Aug 6, 2007

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