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郷土伝統芸能と両輪の農山漁村&都市間交流に重要な枠組みを蓄積 釧根郷土芸能基金(釧路市)240517
釧根郷土芸能振興基金では、第32回目にあたる令和5年度活動助成金を根室国で活動する3団体、釧路市に拠点を置く3団体に贈呈した。同基金では平成4年度から毎年3~6団体に助成金を贈っている。 根室国の3団体は、漁村で活動する「しべつとどわら太鼓保存会」と「野付竜神太鼓保存会」で、もう一つの団体「美原子童太鼓保存会」は別海町中春別地区近郊の酪農村に誕生した。 いずれも太鼓演奏に取り組む。漁村で活動する二団体はすでに半世紀以上のキャリアをもち、児童中心の「美原子童太鼓保存会」も30年を超える年輪を積み重ねている。近年、保存伝承がたいへん困難な経済環境にあるなか、いずれもいすれも健闘しているのだ。 2020年2月のCOVID-19発生前後から、漁村は気候変動による漁業環境の変化が少なからず現れているようだ。酪農村はウクライナ戦後、空前の経営危機に包まれる。1)海外からの輸入飼料高騰、2)牛肉・生乳消費量の低迷に加え3)肉牛引き取り価格の暴落。郷土芸能を保存・伝承する環境はいっそうの厳しさを増しているようだ。 ここに来て釧根郷土芸能振興基金がすすめる助成金贈呈の意義も、新たな理念を意識しなければいけない局面と、受け止めた。贈呈式後の茶話会に席を連ね、活動団体代表の活動発表を聴かせてもらいながら、想いめぐらした点である。 基金開設期前後の保存伝承活動助成・発表会等参加助成に期待された点は、装備の多様化・演奏機材の補てんに頼られる点が少なからずあったのかも知れない。 しかし今日に至り<そもそも活動継続と支持基盤拡充>に資するとされる、努めて「メンタルな側面での支援」。この点が極めて、重視されるレベルに達している観が深い。 北海道では育ちにくかった郷土伝統芸能。半世紀の蓄積を記録する団体数の増加にあわせ、留意しておきたい点がある。それは釧路市に誕生した釧根郷土芸能基金が、農山漁村と都市間の文化交流に重要な枠組みを蓄積してきたことにあるのでは。 5月17日、一般財団法人 釧根郷土芸能振興基金が開いた理事会・評議員会議の末席にかけつけ、思いめぐらした点だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年05月18日 16時19分28秒
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