カテゴリ:小説
今月に入ってから、小川洋子の本を8冊読みました。
「冷めない紅茶」「刺繍する少女」「ブラフマンの埋葬」「海」「寡黙な死骸みだらな弔い」「貴婦人Aの蘇生」「凍りついた香り」「偶然の祝福」 あまりこういう読み方はしたことがないんですが、次から次に小川洋子の世界に漬かりっぱなしになるのも、なかなか気持ちいいもんです。 どれが好きかと言われれば、やっぱり短編より長編。あったかい雰囲気のある「貴婦人Aの蘇生」かなあ。「凍りついた香り」も、幻想的な湿った世界が心地よかった。特に舞台となるプラハには行ったことがあるので、身近に感じました。 なぜ小川洋子さんの本を続けて読む気になったのかというと「物語の役割」に感動したからです。特に、小説を書くという作業のことを、キーワードやイメージを受け止め、その無関係に見える島のようなものに橋を渡す作業をする。と説明されていたので、その実際を見たいと思ったからです。 何冊も読むと、それがなんとなくわかるような気がしました。いろんなイメージの島を著者がいろんな橋でつないでいる。しかも、そのイメージの島は、あちらこちらで形を変え、視線を変えて何度も出てくるのです。数学の天才的なひらめきを持つ少年だったり、背泳の選手だったり、自慢の息子を持つ愚かな母親だったり・・・ そんなイメージが著者の想像力によってつながって、文学に昇華していく。そういう現場を感じることができたような気がします。 やっぱりすごいよ。小川洋子さん。 数えてみたら、いつも行く図書館に小川洋子さんの本は25冊。うち、13冊読みました。 全部読むことができるかな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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