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南の島物語

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2008.07.21
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カテゴリ:音楽と旅と釣り
最近はNHKの大河ドラマや朝の連続ドラマを良く見る。これは都会でのミュージシャン時代には考えられなかったことだが、とにかく連続のドラマなどは2~3週続けて見ると、まるで中毒患者のように、見続けなければならなくなってしまう。
昔、定年を迎え仕事に出なくなった父が、新聞のテレビ欄を片手に、水戸黄門など時代物のドラマを楽しみにしていた。それは、余世と言うには言葉があまりにも型どおりで、その父の背中に大きな悲哀を感じたのである。
しかし、今はその当時の父の歳を越えて、何か同じような気分でテレビをみてるのでは?と思う事もある。それは誰もが持つ、時代に取り残された老いへの恐怖なのだろう。
実は、今回のNHKの大河ドラマ『篤姫』の音楽(作曲家)は吉俣良である。彼が私のバンドにキーボードプレーヤーとしていたのは、まだ20代の前半の頃だったかもしれない。それは駆け出しであるから、まだまだ演奏家としては不十分なところもあったが、それでも見え隠れする才能は溢れていた。
それから25年以上は経ったのだろうか、島にいる私には彼との交流はないものの、その成長に目を見張り、その歳月を時代の流れとして感じる。
更に朝の連続ドラマ『瞳』のクレジットに、演奏家として中川英二郎の名を見つけた。彼の叔父である中川敦嗣は、私と同じジャズのトロンボーン奏者として名を馳せていた(父親はトランペット奏者でデキシーランドジャズの大御所である)。私はビッグバンドジャズからモダンジャズプレーヤーを目指し交流こそなかったが、彼は(英二郎君)10歳ぐらいの頃から、既に演奏家としてその才能を開花させ、その周囲を驚かしたことも知っていた。
この二つの出来事は、いずれもNHKのテレビドラマからである。私が、このドラマに見入ってしまうのは、彼らが番組の音楽に関わっていることもあるだろうか。いや、それは時代の流れを感じ、父の背中に見た老いを、私がとうの昔に背負っていたからかも知れない。





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最終更新日  2008.07.21 11:33:04
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